30 :汚れずの好中球とネコアレルゲン ページ31
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「...で、ネコアレルゲンを貪食したらこうなってしまった、と」
樹状さんの言葉に何回も高速で頷く。
あれからパニックを起こした僕はいつもより何倍も軽くなった体で体内を走り、樹状さんの所へ駆け込んだ。
樹状さんは僕の姿を見て驚いていたが、すぐに僕に落ち着くように言いながら椅子に座らせてくれた。お菓子付きで。
「うーん...もしかしたらネコアレルゲンの元凶...ネコっていう生物の特徴が出てしまってるのかも」
ネ、ネコ?体内の外にはそんなおっかない生物が存在するのか...。
興味深そうな樹状さんの視線を受けながら思わず苦い表情を浮かべてしまう。
「大丈夫だよ。戻れる方法は僕達、樹状細胞も探すから安心して」
頼もしい。後光が見える。戻るまでの間何されるかたまったもんじゃないけど。
取り敢えずカモフラージュに帽子を被って、尻尾は背中と纏めて布で巻き付けよう。
樹状さん達が元に戻れる方法を見つけてくれるまでの時間だ。
その時間までに隠し通せばいい。
「...よし」
かくして、尻尾と耳を戻るまで隠し通せ大作戦を決行する事となった。
ただ問題が幾つか。
この三角の耳と尻尾は、どうやら自分の感情に沿って動いているらしいという事に気が付いた。
この状況、いつまで続くんだとイライラしてる気持ちに呼応するように、尻尾はぶんぶんと左右に振っていたり、ビックリした時は尻尾がぶわわっと膨らみ、耳がピンと立ってしまうせいで帽子が脱げそうになる。
しかも、それだけじゃない。
ふわふわ、ゆらゆらと動く何かを見てしまうと体が疼くし、細長いものを見てしまうと驚いてその場で勢い良くジャンプしてしまうのだ。
お陰で血小板から注目の的である。
中には「白血球のお兄ちゃん何してるのー?」なんて聞いてくる猛者もいた。
頼むから何も聞かないで欲しい。
「あ。」
「あ"?」
前髪の長い、目元が隠れて見えない白血球があ、と言ってきたので半ば睨むようにして同じ言葉を返してしまった。
いや、本当はそんなつもりは。ただこの耳と尻尾が鬱陶しいからこうなってるだけで...うん。
「キミあれだろ?汚れずの好中球」
2626と書かれたプレートを帽子に付けた白血球は、にやりと口角を上げた。
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海藍 - 凄い、、、 (5月21日 23時) (レス) id: 34bd24184d (このIDを非表示/違反報告)
仁兎 - 鶴丸国永が出てニヤニヤしてしまった…えへへ (2020年7月12日 10時) (レス) id: 01ef15654f (このIDを非表示/違反報告)
まじかるれいん☆ - あああもう展開分かっちゃったふふふふ← (2018年12月30日 21時) (レス) id: 9a258b9a35 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空みや(プロフ) - ぷらんくとん。さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただきありがとうございます♪このあとの話もお楽しみに! (2018年9月17日 22時) (レス) id: 7eb3a685bd (このIDを非表示/違反報告)
ぷらんくとん。 - 更新楽しみにしてます! (2018年9月17日 11時) (レス) id: 4eb7efbf3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼空みや | 作成日時:2018年8月21日 3時