26 :汚れずの好中球と喪失 ページ27
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___カラン。
僕は目の前の光景に思わず固まってしまった。
ゆっくりと目線を後ろに回すと、光に反射してきらりと黒い刃が光っている。
そして恐る恐る自分の手に持っている刀に目線を戻すと。
...刀身が、ぽっきりと折れていた。
今までずーっと戦場を共にした刀だ。刃が擦り切れて脆くなっていたのだろうと冷静に考えても、どうしてかその場から動けなかった。
ずっと大事にしてたのに。
そんな気持ちが思い浮かんだ瞬間、すとんと腰が抜けて無意識に地面に座り込む。
最早相棒と同じような存在だった僕の愛刀が折れてしまったのだ。
言いようのない虚無感が僕の胸を渦巻き、この場所が戦場である事も頭から抜けてしまっていた。
「クロ!!俺達が道を開ける!その隙を見て逃げろ!」
「クロちゃん早く!!」
シロとハクの焦ったような声が耳に入ってくるが、頭を通らず耳をすり抜けていくこの感じ。
動かなきゃと思っても、愛刀を失った喪失感が僕を地面に縛り付ける様に、全くもって動けない。
この時点で、僕は既に白血球として戦意を喪失してしまっていた。
本当に情けない話である。
「クロくん!」
先程まで聞いていた声が聞こえ、ゆっくりと顔を上げると、樹状さんが階段の先の道路に立っていた。
「お上の好中球課から許可が出たから届けに来ましたよ」
...?樹状さんは、一体何の許可を貰って何を届けに来たと言うのだろうか。
樹状さんの手から放たれた何かは僕に向かって飛んでくる。
顔に当たる寸前でそれを掴み、僕は樹状さんが投げたものを初めて目のあたりにした。
...これは。
「……ナイ、フ」
そう、白血球が常日頃使っている、白いアンチテロナイフが僕の手にピッタリと収まっていた。
...あれ...?このナイフ見てると、何か変な気分に、
___その思考を最後に、僕のマトモな意識はぶつりと音を立てて奥底に沈んでいったのだった。
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海藍 - 凄い、、、 (5月21日 23時) (レス) id: 34bd24184d (このIDを非表示/違反報告)
仁兎 - 鶴丸国永が出てニヤニヤしてしまった…えへへ (2020年7月12日 10時) (レス) id: 01ef15654f (このIDを非表示/違反報告)
まじかるれいん☆ - あああもう展開分かっちゃったふふふふ← (2018年12月30日 21時) (レス) id: 9a258b9a35 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空みや(プロフ) - ぷらんくとん。さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただきありがとうございます♪このあとの話もお楽しみに! (2018年9月17日 22時) (レス) id: 7eb3a685bd (このIDを非表示/違反報告)
ぷらんくとん。 - 更新楽しみにしてます! (2018年9月17日 11時) (レス) id: 4eb7efbf3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼空みや | 作成日時:2018年8月21日 3時