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20 :汚れずの好中球と羞恥の白血球 ページ21

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「ギャアァァアアァ!!」

雑菌が悲鳴を轟かせ、地に伏せる。
最後の1匹を仕留めた僕は、血に濡れた刃を振り払った。

「...ふぅ」

一際大きい瓦礫の後ろに2人を避難させた僕は、背後から黄色ブドウ球菌が来ようが前からセレウス菌が来ようが、一振に力を込めて一太刀で雑菌共をバッサバッサと斬り捨てていた。

赤血球とシロがキラキラした目でこちらを見ていたのには集中力は削がれたが、生憎それで腕が落とすほど生易しい性格はしていないのでね。

赤血球とシロ、そして自分に血飛沫など飛ばないように。
それを心掛けていたからか、2人には自分で付けた血以外は汚れていないし、僕は一滴すら赤い染みは無い。

キン、と刀を鞘に収め、後ろを振り向くと赤血球が立ち上がってぱちぱちと拍手をし始めた。

「ちょ、なに...」

「クロさん凄いです!あっという間に細菌を全部倒しちゃって!!」

「あー、はいはい。分かったから拍手しないで、目立ちたくないんだから」

シロの前に片膝を立てて座り込み、自身の足のポケットから布を取り出した。
勿論、シロの応急処置をする為だ。

「すまない...クロ」

「別に...謝られたくてやってる訳じゃないから」

シロはきょとんとした顔をした後、目元を細めて笑った。

「...ありがとう、クロ」

「...ん」

きゅ、と布でシロの足を縛ると、僕はおもむろに腕をシロの背中と膝裏に回して立ち上がった。

まあ簡単に言うと、僕はシロをお姫様抱っこしているということだ。
だっておんぶは出来ないし、身長的に。

「!?く、クロ!?俺は大丈夫だから、歩けるから降ろしてくれ!」

「何言ってんの、足怪我してるんだから...いい子だから、大人しくしてて」

「いやそういう事じゃなくて絵面がだな...!頼む後生だ降ろしてくれ...!!」

...絵面?よくわかんないけど、取り敢えずマクロファージさんの所に行かないと。

「降ろしてくれぇええぇ......」


...この後、顔を両手で覆った1146番をお姫様抱っこする1196番が目撃されたそうだ。

21 :汚れずの好中球と四苦八苦→←19 :汚れずの好中球と破壊


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海藍 - 凄い、、、 (5月21日 23時) (レス) id: 34bd24184d (このIDを非表示/違反報告)
仁兎 - 鶴丸国永が出てニヤニヤしてしまった…えへへ (2020年7月12日 10時) (レス) id: 01ef15654f (このIDを非表示/違反報告)
まじかるれいん☆ - あああもう展開分かっちゃったふふふふ← (2018年12月30日 21時) (レス) id: 9a258b9a35 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空みや(プロフ) - ぷらんくとん。さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただきありがとうございます♪このあとの話もお楽しみに! (2018年9月17日 22時) (レス) id: 7eb3a685bd (このIDを非表示/違反報告)
ぷらんくとん。 - 更新楽しみにしてます! (2018年9月17日 11時) (レス) id: 4eb7efbf3a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼空みや | 作成日時:2018年8月21日 3時

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