10 :汚れずの好中球とチョコチップ ページ11
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そこからはもう褒め殺しという言葉がぴったり当てはまるほどに、1146番の口から飛び出すのは僕に対しての褒め言葉だけだった。
やれ「あんなに綺麗な切れ口は技術と力がないと出来ないから凄い」だの、「俺達はナイフしか使えないからそれを使いこなせるのが凄い」だの。
聞いてるこっちが恥ずかしくなるだろうが。
赤血球のアンタも笑顔で聞いてないで止めろよ!
「あーはいはい」と適当に流して胃の食堂に着いた僕は、席に2人を座らせて「大人しく待ってて」と言うと、2人は同じタイミングでこくんと頷いた。
うん、素直でよろしい。
僕はグリコーゲンアイスの自販機に立ち、チョコチップを迷いなく押す。
...あの赤血球もいるかな、アイス。
バニラとチョコチップのグリコーゲンアイスを手に持ち、1146番は何かいるのだろうか?
ふと1146番の方向を見ると、彼はお茶をのんびりと啜っていた。一体いつの間にいれたんだ。
赤血球にバニラ味のグリコーゲンアイスを渡すと、嬉しそうに「ありがとうございます!」と言った。
「どーいたしまして」
2人の向かい側の席に座り、僕はチョコチップのアイスを齧る。うん、甘い。
「黒髪の白血球さんもグリコーゲンアイス好きなんですか?」
ガジガジと齧りながらアイスを食べていると、不思議そうな顔の赤血球と目が合った。
「いや?僕はこういうのあんまり好きじゃないよ、すぐ溶けるし、甘ったるいし。...でも、何か食べたくなる」
「ふふ、今度は私もチョコチップが食べたいです」
また次を想像させる赤血球の口振りに無意識に溜息を漏らす。
「また会いましょうとか言うつもり?37兆個の細胞の中から?」
「約束すれば会えます!」
「...しないからね」
「ええええ!?」
いや、寧ろなんで約束できると思ったんだ。
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海藍 - 凄い、、、 (5月21日 23時) (レス) id: 34bd24184d (このIDを非表示/違反報告)
仁兎 - 鶴丸国永が出てニヤニヤしてしまった…えへへ (2020年7月12日 10時) (レス) id: 01ef15654f (このIDを非表示/違反報告)
まじかるれいん☆ - あああもう展開分かっちゃったふふふふ← (2018年12月30日 21時) (レス) id: 9a258b9a35 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空みや(プロフ) - ぷらんくとん。さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただきありがとうございます♪このあとの話もお楽しみに! (2018年9月17日 22時) (レス) id: 7eb3a685bd (このIDを非表示/違反報告)
ぷらんくとん。 - 更新楽しみにしてます! (2018年9月17日 11時) (レス) id: 4eb7efbf3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼空みや | 作成日時:2018年8月21日 3時