第陸章 獏は夢みし-01- ページ45
4人と一緒に住み始めてから、夜中に起きることなんて滅多になかった。
きっとそれはキヨさんが私の夢を守ってくれているからで、だから私は気付けなかったのだ。
夢を守る側のキヨさんは、いったいどんな夢を見ているんだろう、ということに。
*
(2時…、)
夏が近づいて、寝苦しい夜が増えた。
いくらここがすごしやすい場所とはいえ流石に蒸し暑さにはかなわないようだ。
汗の気持ち悪さで目を覚ませば、草木も眠るような深夜だった。
いつもなら朝までぐっすりなのになあと伸びをしながら、麦茶でも飲もうかと部屋を出る。
私の部屋はみんなと同じように2階にある。私、ぴーちゃん、つわはすくん、レトルトさんが2階、キヨさんが1階。だから2階の一番奥の部屋の私は、リビングに行くために皆の部屋の前を通る必要があるのだ。
みんなを起こさないようにそろりそろりと階段を降り、リビングに足を伸ばす。リビングのドアノブに手をかけたところで、キヨさんの部屋から光が漏れていることに気が付いた。
こんな時間まで何してるのかなあ、と少しだけ開けられた扉から顔を覗かせてみる。見ればキヨさんはベッドに寝そべりながらゲームをしていた。
「何覗いてんだよ、A」
キヨさんがゲーム画面を見ながら何事もないかのように私の名前を呼んで、私はびくりと肩を揺らした。
『な、なんでわかったんです？』
「なんでもなにも、この家で夢を見てないのはお前だけじゃん」
そっか、キヨさんは毎晩私たちの夢が悪夢でないか見守ってくれているんだっけ。キヨさんなら家の中にいる皆が寝てるか起きてるかなんてすぐにわかってしまうんだ。
それに気づいて感心した瞬間、私は一つ疑問に思った。
それなら、キヨさんは一体いつ寝ているんだろう？
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赤の黒犬 - 昔の実況を見ていたら、キヨさんが夢を中々見ないと仰っていて、そこから来たのかなーとか考えられて凄く面白かったです。 (2021年7月1日 0時) (
レス) id: ba80b57016 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 平和組の皆さんが可愛すぎて泣ける!!この物語を見ていると引き込まれていくので時間が短く感じます！頑張ってください！！ (2015年11月2日 0時) (レス) id: 4732783237 (このIDを非表示/違反報告)
咲嶋.ぼ(プロフ) - お話の構成がとてもしっかりしており、凄く引き込まれる作品で 大好きです。更新待っております。 (2015年9月9日 1時) (レス) id: 573b4c2ac8 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - とても面白いです！たまにはいる挿し絵？も可愛いですね！ これはもう更新しないのですか？ まってます (2015年8月22日 23時) (レス) id: 016ebdc3e0 (このIDを非表示/違反報告)
Χ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。文章や言葉のチョイスに心を鷲掴みにされました。また随所で入るイラストも私にはドストライクで、この小説と出会えてよかったです。 (2015年8月16日 14時) (レス) id: ffefa26ae0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮前
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=miyamaenovels
作成日時：2015年2月9日 17時
