家族2 ページ8
Aside
病院
ピッピッピッ。
心電図の音が病室に流れている。
A「何で…さっきまで元気だったのに…。」
医者「元々心臓病を患っていて、定期的に通院しなければならない身体なんです。」
A・春乃「!」
春乃「心臓病…?そんなのお父さん一言も…」
看護師「家族に心配かけたくないと…頑なでして…。本当は昨日も検査入院じゃなくて、1週間は入院して欲しかったんです。」
医者「娘と孫が来るから元気な姿でいたい…と聞かなくて。」
A「っ、そんな…。」
パチ。
祖父「…。」
A「おじいちゃん!」
おじいちゃんが目を開けた。
祖父「ん…、おお…A…春乃…。済まないな…。心配かけて…。」
春乃「何で話してくれなかったの!」
祖父「もうひと月ももたんからのう…。最後は大好きな娘と孫と過ごしたかった。」
A「最後って…!ダメだよ!おじいちゃん!」
祖父「大丈夫じゃ、A。おまえはワシが居なくても歩いていける。その強さがあれば…守ることが出来る。…そうじゃ。この街を見て回るといい。ワシが育ったこの街を…。道場に…Aへの置き土産があるからのう。」
A「っ…!い、嫌だよ…!まだおじいちゃんと…!」
祖父「春乃…、ワシは一足先に信司に逢いに行くからのう。」
春乃「お父さん…!そんな…!」
祖父「A、手を出しておくれ。」
A「手…?」
スッ。
私は右手を差し出した。
春乃「!お父さん…。」
おじいちゃんは私の手を握った。
キィンッ。
A「!?」
祖父「これで“全て思い出す”じゃろう。…A、これから辛く、苦しいことがおまえを襲うかもしれん。それでも…前を向くんじゃ。立派なヒーローに…なるんじゃよ。ワシは信司と共に見守っておる。」
A「!……おじいちゃん?」
祖父「……。」
医者「っ…、残念ながら……。」
春乃「お父さん…。」
A「……。」
私は、大切な家族を1人、喪った。
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れみ(プロフ) - 感動しました、とっても面白かったです!これからも無理せず頑張ってください!応援してます!! (2022年11月14日 15時) (レス) @page43 id: 1b5296e87c (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ餅 - 面白いです!更新頑張ってください! (2022年11月4日 17時) (レス) @page47 id: 7e418e6972 (このIDを非表示/違反報告)
ベル - 一気読みさせていただきました!とても面白かったです!よく考えられてるストーリーで最高です!。更新頑張ってください。 (2022年11月1日 22時) (レス) @page47 id: 6b74fe665f (このIDを非表示/違反報告)
イマツギ(プロフ) - 続きが楽しみです。お時間があれば更新頑張ってください! (2022年10月10日 22時) (レス) @page41 id: f5ff06f155 (このIDを非表示/違反報告)
パイナップル(プロフ) - このお話とっても大好きで何回も読み直してます…!!続き待ってます! (2022年9月1日 3時) (レス) @page34 id: 16127b2cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:嶺真 | 作成日時:2022年6月9日 23時