無明5 ページ36
Aside
荼毘が渡してきた封筒の中身を見た。早く見た方がいいという言葉の意味を理解した。
A｢……。｣
コンコンッ。
A｢！｣
また誰か来たみたいだ。もう良いのに。
相澤｢櫻間。｣
相澤先生…だ。
スッ。
私は封筒を引き出しの中に隠した。
相澤｢入ってもいいか。｣
A｢ご飯ならいらないですよ。｣
相澤｢俺は様子を見に来た。｣
A｢さっきも来たじゃないですか。｣
相澤｢また後で様子を見に来るって言ったろ。｣
A｢結構です。｣
相澤｢…じゃあ話だけでも聞いてくれ。｣
A｢…。｣
…相澤先生って…結構頑固だよな。
A｢…入っていいですよ。｣
ガチャッ。
相澤｢…ん。｣
スッ。
A｢？｣
相澤先生は私に袋を渡した。
中には…
A｢おにぎり…。｣
相澤｢どれだけ食欲がなくても、一口でもいいから食べろ。｣
A｢いや…｣
相澤｢食べないなら俺が無理矢理食べさせる。｣
A｢…はぁ。…分かりましたよ。｣
私は床に座った。
A｢どうぞ。座って下さい。…話あるんですよね？｣
相澤｢ああ。｣
スッ。
一体何の話を…
相澤｢…高校の時、俺には親友がいた。マイクと俺とソイツでA組の三バカなんて呼ばれもしてた。｣
A｢…。｣
相澤先生が高校の時の話…？
相澤｢ソイツは…いつも明るくて前だけ見てた。…櫻間、おまえとそっくりなんだ。｣
A｢！｣
相澤｢いつの間にか俺は…ソイツとおまえを重ねて見ていた。そして、それと同じようにとても不安だった。｣
A｢不安…？何で…｣
相澤｢インターンの時、崩壊する建物から子供たちを守ってソイツは死んだ。あっけなかった。ソイツは…“白雲”は…後先なんか考えずに突っ込んでいっちまう。死んだら全部…終わりだってのに…！｣
A｢しら…くも…？｣
白雲って…。
…死んだ…？あの人が…私に笑顔を教えてくれたあの人が…。亡くなっていたなんて…。
相澤｢福岡でおまえが子供たちを助けた時、俺は生きた心地がしなかった。白雲と同じように…おまえまで失ってしまったら…と考えると…震えが止まらなかった。おまえには…長生きしてほしい。ずっと笑顔でいてほしいんだ。｣
A｢！……。｣
な、何だろう…この感情は…。ああ…ダメだ。なんかもう…。
ポロッ。
A｢は、はは…！｣
涙がこぼれた。
相澤｢！櫻間…｣
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れみ(プロフ) - 感動しました、とっても面白かったです！これからも無理せず頑張ってください！応援してます！！ (2022年11月14日 15時) (
レス) @page43 id: 1b5296e87c (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ餅 - 面白いです！更新頑張ってください！ (2022年11月4日 17時) (レス) @page47 id: 7e418e6972 (このIDを非表示/違反報告)
ベル - 一気読みさせていただきました！とても面白かったです！よく考えられてるストーリーで最高です！。更新頑張ってください。 (2022年11月1日 22時) (レス) @page47 id: 6b74fe665f (このIDを非表示/違反報告)
イマツギ(プロフ) - 続きが楽しみです。お時間があれば更新頑張ってください！ (2022年10月10日 22時) (レス) @page41 id: f5ff06f155 (このIDを非表示/違反報告)
パイナップル(プロフ) - このお話とっても大好きで何回も読み直してます…！！続き待ってます！ (2022年9月1日 3時) (レス) @page34 id: 16127b2cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嶺真 | 作成日時：2022年6月9日 23時
