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本当は ページ14

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『綺麗…』


すっかり暗くなった夜空にポツリと呟いた声が消えていく







「キミもね」








そう突然掛けられた言葉に声にもならない声が漏れる。









『白濱部長…』






軽く笑った彼は、


1回言ってみたかったんだよね。


と言いながら私が座っていたソファーの隣に腰掛ける







亜「中、入んないの?」



『何となく、ここに居たくて』







軽く笑った白濱部長がそっか、と呟いて






亜「そんなカッコじゃ風邪引くよ」







そう言って着ていたスーツのジャケットを脱いで肩に優しく掛けてくれる。








ありがとうございます、とお礼を言い








『そういえば、白濱部長はどうして?』





と尋ねる。











亜「ん〜…ホラ」





そう言って指をさされた先を見ると、
記念撮影を終えた先輩の周りに集まって泣く見慣れたメンバー






なるほど、と思いつつ苦笑いすると










亜「アレじゃ俺まで大変だから笑」






そう言って笑い、手に持っていたシャンパンを渡される。





お礼を言ってシャンパンを受け取り傾けると、キラキラと輝く炭酸が弾けるように飛び跳ねた。






しばらくただ眺めていると、










亜「…俺さ、母親居ないんだよね」






不意に口を開いた白濱部長が言葉を零した。














亜「俺が小学校1年生の頃、全然知らない男と出て行ってそれっきり。今じゃよく顔も思い出せない」








怒りと悲しみの混ざった声で静かに話す白濱部長の言葉を黙って聞く









亜「でも、あの時見た親父の背中だけは今でも覚えてるんだ。



怒り、悲しみ、憎しみ、絶望。


全てを抱えた親父の背中は、大きいはずなのに小さくて、いつも笑ってたはずなのに泣いてたんだ。」





亜「だからこそ、恋とか愛とか、信じるだけ無駄だって、
どうせ裏切られるんだって、そう思ってた。」









でも、そう続けた白濱部長は一瞬何かを躊躇ったように言葉を濁した。


そして、









亜「でも…なんでか羨ましかったんだよね、臣さんの事」



















柔らかく微笑んだと同時に、綺麗な涙が彼の頬を伝った。

見えない心→←どうして



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設定タグ:GENERATIONS , 三代目JSoulBrothers   
作品ジャンル:恋愛
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Honey(プロフ) - まゆさん» 感想や温かいお言葉有難うございます!!オチなどはまだ詳しく決めていないのですが、ご期待に添えるようこれからも中務さんとのお話沢山書かせていただきます!これからもよろしくお願い致します(*^^*) (2018年12月3日 15時) (レス) id: 2fd9802047 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - このお話すごく大好きです!みんなも恋愛感情が色々と渦巻いていて読んでいてキュンキュンするし、考えさせられるお話です!私は裕太君が大好きなので主人公ちゃんには裕太君とくっついてほしいですけど、今後の展開がどうなるのか楽しみにしています! (2018年11月29日 11時) (レス) id: 727ab08095 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Honey | 作成日時:2018年8月28日 11時

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