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目の前で眠る少女のベッドサイドに僕らは立っていた。
「お前、先食っていいよ」
めめが顎で促す。
「いいの？」
「腹減ってんだろ」
いただきます、と心の中で唱えて僕は少女に手を伸ばした。
ジュ、ル、ジュクッ、ジュル、ジュルッ…
赤く、透明で、甘くて、柔らかい、ヌラヌラと光るシロップに塗れた、愛の味。
僕は一心不乱に貪る。
「いい加減俺にも食わして」
舌舐めずりしながらめめが僕の肩を掴んで制する。
「あ、…」
ハッと我に返ると、めめの取り分はもうほとんど残っていない。
もったいなくて手に着いたシロップもペロペロと綺麗に舐め取る。
僕たちの種族は人間を養分とする。
といってもこの世に存在する魂は穢れた空気に晒されてしまっているので、僕たちが食するのは生まれる前のいわゆる胎児だ。
基本的には望まれない魂をいただくことになっているが例外もある。
祝福され愛情を注がれ望まれてきたのに、何らかの事情でこの世に来ることが出来なかった魂。
それは滅多に口にすることが出来ない極上の味。
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うの(プロフ) - ぽんさん» コメントありがとうございます。細々と更新していきますので暇な時はまた読みに来て下さいね!(^^)! (2022年8月9日 16時) (
レス) id: 312a545c23 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん - 突然コメント失礼します。密かに読ませてもらっています。紫さんの出てくる作品が好きです。こぎつね、もしや紫さんもレギュラー参加の予定ですか？可愛いですね。これからも色んな短編集を楽しみにしています。 (2022年7月30日 15時) (レス) id: 06d404138f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うの
| 作成日時：2021年11月1日 11時
