夜空に浮かぶ宝石

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俺は今まで宝石を沢山見てきた。

「この宝石も綺麗だえ」
豚のように肥えて臭い、天竜人の後ろで…

首に巻き付く鎖は俺の命を意味し
足を追いかける鉄球は俺の自由を奪った。

手だけは動かせた。
だから自分の手は好きだった。

太陽に透かしてみたり、寝る前に何度も手を目の前で動かす。

手は俺の中の唯一の救いだった。

「おい、お前！！
　さっさと歩くえ！！」
グイッと首を引っ張られ、地面に跪く。

教えられたとおり、犬の鳴き真似を繰り返し

無様に歩く。

周りの視線は恐怖と好奇心。
幼い俺の心には

恐怖が刻まれた。

誰も助けてくれない。

海に浮かぶ強い海兵さんも、荒れ狂う海賊さんも、父さんも母さんも

すぐそこにいるのに…
どうしてたすけてくれない？

ポタッと地面に落ちた綺麗な滴

俺はそれを見て目を見開いた。

『なんて綺麗なんだ』
ニィッと笑う。
笑顔がこみ上げてくる。

それと同時に俺の中で何かが囁いた。執筆状態：連載中