あまくて、ずるい、きみのせい (ページ3)

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歩く行先は某有名格安イタリアンチェーン店

既に腹ぺこらしいめぐは、ピザかパスタかとボヤいている

「ね！おふたりさん恋人とかいるのー？」

そんなめぐに合わせながら自分のオーダーを考えていた時、少し前を歩く佐久間先輩が振り向いて言った

『いや、佐久間くん恋愛赤ちゃんじゃん』

「…恋愛赤ちゃん？」

『この人アニメ大好きなのに三次元だと超奥手なの。マジ話になんない』

「せめてピュアって言って！！」

ムスッと頬を膨らませながらめぐに猫パンチする先輩

必死なんだろうけどごめんなさい

可愛くて笑っちゃいます

「でも蓮はいないよねぇ？」

『…佐久間くん』

だけど、形成逆転

佐久間先輩の怪しげな笑みに、今度はめぐが睨みを利かせた

先輩は何かめぐの恋愛事情を知ってるのかな

あんまりめぐとそういうこと、話したことなかったな

「…めぐ、好きな人いるの？」

『は！？』

「あ、…や。いるのかなぁ…って」

私の質問にこっくり黙ってしまっためぐ

無言は肯定って捉えるの、まだ難しかったかな

「にゃはは、きっとそのうち分かるよ！それより乃愛ちゃんは？誰かいないのー？」

「…あ、えっと」

話を振られて、ポンと浮かんだひとつの名前

『乃愛は、たっちゃん、でしょ』

"たっちゃん" 久しぶりに聞いたその言葉

「え！？たっちゃん！？もしや彼氏？？？」

「…あはは、まさか、そんな…たっちゃんはありえないですよ」

私の答えに明らかにしゅんと萎んでしまった佐久間先輩

ごめんなさい、ご期待に添えなくて

でも本当に"たっちゃん"だけは、ありえないから