あまくて、ずるい、きみのせい (ページ12)

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「やっぱあべちゃんはねー、もうとにっかく頭がいーの！俺何回も教えてもらったもん！！」

『佐久間くんの方が先輩じゃん』

噂のあべくんとの待ち合わせは、午後二時

それまで初めての食堂で、わかめうどんと共に佐久間先輩から情報収集

さっき受けた授業にはいたのかな…

緊張しすぎて、あんまり人の顔を見てなかった

「すんごくいいやつだから！蓮も乃愛ちゃんもぜーったい仲良くなれるよ！」

「ふふ、楽しみです」

『俺は別にいいんだけど』

「なんで！あべちゃんも楽しみにしてたよ？いーじゃん！さくまさんの顔立てて！」

『余計にいやッスね』

「にゃに！？」

…そう、なんだ

めぐから先輩にLINEをしたと聞いたから、てっきりめぐも会いたいんだと思ってた

まぁ友達が多いタイプでは無いし、ルックスから求めなくとも人が集まってくるから、必然ちゃ必然か…

『なに？カツはあげないよ』

「い、いらない！」

『へぇ』

ぼうっとしていた私を獲物を狙う猛獣扱いをするめぐ

そしてスプーンに小さなカツカレーを作って、私の目を見ながら大きく開けた口に運んだ

もぐもぐと動くほっぺ

口端に付いたカレー

こくりと動く喉仏

「…めぐ、一個ちょうだい？」

『…やぁだ』

「えぇ…ちょうだい、欲しい」

『やだ。いらないって言ったじゃん』

「わかめあげる！」

『いらねぇし。カツとわかめじゃ不釣り合い』

めぐのケチ

一個ぐらいいいじゃん

でも頑固なめぐだから、何度言ってもきっと答えは同じ

諦めて前を向くと、口角をにっと上げている先輩と目が合った

「にゃは、さくまさん胸きゅんしちった！」

「…へ？」

「こっちの話！つか蓮！もうカツカレー強請るなよ！高いんだから！！大盛りにまでしやがって！」

『お腹すいてたし、なんでもいいって言った』

「くそぅ…顔がいい」

佐久間先輩、面白い

昨日会ったばかりだけど、心地いい

めぐの言った通りすごくいい人

『…乃愛』

「ん？」

『口開けて』

「…口？」

トンっと唇をスプーンで突かれる

ご要望通り口を開くと

『あーん』

「あーんぅ…！」

めぐ特製ミニカツカレーが入ってきた

「…おいしぃ」

『そりゃよかった』

「ありがと！めぐ！」

『はいはい』

ん…おいし

わかめうどんも美味しかったけど、カレーのスパイスも最高！

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「お前、さては二次元から出てきただろ！」

『何言ってんすか。ラーメン伸びますよ』