のんきな猫と死にたがり 3 (ページ4)

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「…幽霊はいつごろ見たんですか？」
「二日前の夜！！お姉さん信じてくれるの！？」
「半々ってところですね」

さっき検視官が遺体は死後40から48時間と言っていた。
2人の幽霊の証言と同じ時刻だ。他殺だと仮定すると、7号室から犯人が逃げ出す所を見たのだろうか。有力な気がする。

「ねぇ！刑事さん！お腹すいた！帰っていい？？」
「いや、ダメでしょ！」
「えー！もう疲れたー！」

駄々をこねる2人に志摩さんは私達が食べるはずだったメロンパンを渡した。渡しやがった。
あー、私のお昼ご飯…どんどん遠のいていく。

「志摩さんのばかー…」
「メロンパン楽しみにしてたのに！」
「また頼め。」

「ねぇなんなの？警察こそ情報を開示してください。」

私たちのこんな様子に痺れを切らしたのか、コスプレさんが声を荒げた。

「あの中で人が死んでたんです。真面目にご協力ください。」
「この人の名前は？」
「ジュリです」

志摩さんへの質問にすかさずコスプレさんが答えてくれた。
でも、そうか…この人も本名教えてくれないタイプだったか。
さっきの嫌な予感がどんどん的中していく。一言でいえばこの状況超カオス。

「幽霊……！」
「幽霊だ！！」

「幽霊？？」
「見たんだって。7番の前で。」
「二日前に。」

するとジュリさんがある一点を見つめた。視線の先にあるのは8番のトランクルーム。
ジュリさんの方に視線を戻すと、勢いよく目を逸らされた。…何か隠してる超怪しい。

「あっ、わかった！！」
「どうしました？」

「部屋になんかあんのかな～と思ったけど、隣だ。」

伊吹さんは8番の扉の前に行くと、目を瞑ってボソッと「誰かいる。」と呟いた。
ガチャっと扉を開けて中に入る。

「警察だ。大人しく出て来い。」
「幽霊ちゃん、出ておいでー」

ここもまた生活感のある部屋だこと。しかも床には猫の毛が落ちている。7番の部屋の中にあったものと同じだろうか。

「うーん。もう！いないじゃん！！気のせいかー…

　ニャンつって！」

伊吹さんは壁際にあるハンガーラックのファスナーを勢いよく下ろした。
中には坊主頭の60代くらいの男性が蹲っていた。
こんなところに隠れていたなんて、まーた超怪しい。

「どうもー」
「こんにちはー」
「お話聞かせてもらいましょう」
「よし。オラ、出て来い！」

伊吹さんはラックから強制的に男性を引きずり出した。

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