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芝浦署の分駐所に戻ったころにはもう9時を過ぎていた。
やっと確りとした食事をとれることにありがたみを感じる。この際、麺が硬くても何でもいい。

そうやって機捜うどんの美味しさを全身で感じていると、室内に桔梗隊長が入ってきた。
喉に詰まりそうになったがどうにか急いで飲み込んで「お疲れ様です」と声をかける。


「Aはどう?今朝はマメジのせいでごめんね。
 やっとご飯食べられたんじゃない?」

「はい、今食事のありがたみを噛み締めているところです。
 あと隊長のせいではないので気にしないで下さい」

微笑みかけられたので会釈で返すと隊長はタブレットからナウチューブの動画を流し出した。
どうやらこれが本題らしい。


『ここでRECザチェック!
 まか不思議なことにこの事件の後から公式サイトが404エラーになってるんです!この謎の4機捜は国家の秘密に関わる公安のような陰の軍団なんじゃないか……』

「状況はわかった?」


一通り見終わると、とりあえずモザイクがかかってても伊吹さんは伊吹さんなんだなと分かった。
内容は午前中に起きた煽り運転の場面と、警察の公式サイトのネットエラーを無理やりつなげて作った妄想話だった。
…どれもハズレでご愁傷様です。



「これ圧力かけて消して貰えないんすか?」
「公権力をそんなことに使えるわけないだろ!」


「今のチャンネル、視聴者の登録数23人、いわゆる底辺NOWTUBERです。拡散力は極めて低いと言えます」
「確認ありがとう」


「4機捜は公表しないの?」

「あくまでヘルプの部隊だからね。
 次の異動で人員に余裕が出れば解散。4機捜って名称自体が仮なの。コールサインが必要だからとりあえず4ってつけたけど」
「えっ!?
 解散したら俺たちどうなるんすか?」

「どこかの機捜に入るか元の部署に戻るか」
「なるほどー。それまでに手柄あげれば捜査一課も夢じゃねぇのか。
 引っ張られるチャンスはまだあるな!!」

「とにかく、警察の信頼を損ねないように。」

「はい」

うなずきながらちゃんと返事をすると隊長がまた微笑みかけてくれた。
話は終わったようで、隊長は部屋から出ていこうと扉へ向かった。が、何か思い出したようで踵を返して鞄からプリントを取り出した。

「そういえば…
 今日みんなが臨場した墨田区の傷害事件、容疑者の白い車、偽造ナンバーだったって」




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作者名:古町小町 | 作成日時:2020年10月12日 0時

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