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行方不明のおばあちゃんの孫がいるという303会議室に着いた。
おばあちゃんの名前は西田ふみこさんでお孫さんはちさちゃんというらしい。
部屋には入らずに担当から話を聞く。
どうやら二人で買い物の途中ちさちゃんは疲れて駄々をこねてしまい、ふみこさんに「ここで待ってて」と言われて素直にお店で待っていた…
でも、いつまで待っても帰って来ず交番にいったようだ。
「よし、探しますか!」
伊吹さんが膝を叩いて立ち上がる。
志摩さんも異論はないのか伊吹さんに着いていった。
管轄外で担当課も違うのに…2人はお人好しの部類に入るんだろう。
一度見かけたら情が移るのだろうか。
まあなんでもいい、この流れだと私も行かなければいけないのだから。
「Aちゃんも行くよー」
「はーい」
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まず最初に訪れた場所はおもちゃのステッキを売っていた玩具屋さんだ。
店主曰く、おばあさんはここで買ったらしいが午後にもう一度訪れてきたらしい。
「失くしたって言っててね。でもあのおばあちゃんに売ったのが最後の一個だったから……
あんまり悲しそうだったんで深川通りのおもちゃキャプテンならまだあるかもよって、地図を渡してあげたの」
その地図を受け取って見てみる。あぁ、この道か。
「この地図貰っても?」
最短ルートで店主に言われた玩具屋に来たがもう良い時間だ。店が閉まっててもおかしくなくて、予想通り店内の電機が消えていた。電話をかけても繋がらない。
「明日にならないと無理だな」
「通りにある防犯カメラの映像全部調べてばあちゃん探そうぜ」
「人探しは機捜の仕事じゃない」
「やるなら勤務時間外に一つ一つ私たちの手で確認する必要があります。そんなことをしてる間におばあさんの身に何か起きたら…」
「そう。だからこそ生活安全課に任せた方がいい。そんな訳で撤収。」
志摩さんに促されて車に乗り込む。が、伊吹さんだけ乗り込まずに外に立っていた。
不思議に思って彼の視線の先を見ると、昼間の傷害罪の犯人と同じ車種が走っている。
ナンバーは 多摩300 し 1215
…探しているのは足立ナンバーだったから違うな。
「ねえ、今の犯人じゃない?」
「車種は同じでも多摩ナンバー。犯人は足立ナンバー」
「そんな感じした」
「感じだけで言うな!同じステーションワゴンなら都内だけでも何万台も走ってる」
「うーん、」「行くぞ」
渋々ながらも伊吹さんは乗り込んで車を出した。
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作者名:古町小町 | 作成日時:2020年10月12日 0時