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「西武蔵野署から正式に捜査協力依頼が来た」


桔梗隊長が4機捜の分駐所へ直々にお出ましのようだ。

虚偽通報を検挙したくとも、所轄も3機捜も余裕がないのだろう。
…それなら私たち4機捜の出番だな。

隊長から手渡された資料を見ると、西武蔵野近辺の高校の名前と部活の備考などがズラーっと書いてあった。


「まるで便利屋ですね。」
「機捜って元々そういうとこよ」
「重点密行と、初動捜査+ナンバー課や所轄で人が足りないときも駆り出される…
 全部ひっくるめて機動力」


ザッと目を通すと、一つ目に留まった高校があった。


「はぁ?全学校の陸上部に該当者なし?
 絶対陸上部だと思うんだけどなー」
「この要確認って言うのは?」


赤マークで丸をつけられた学校。名前は、"バシリカ"高校


「そこの校長が何か隠してるんじゃないかって。
 何を聞いても、のらりくらり。
 不都合な事実を隠そうとしている特有の暖簾に腕押し答弁」
「うわー、あやしい」
「一番やっかいな相手だな。」
「でもこの高校陸上部ないですよ?」
「それが…調べたら去年まではあったらしいの。
 陸上の大会の出場記録があって、過去には入賞経験もある。」

悪いことをしていないのなら何も隠す必要なんてないのに。
クロだな、校長はクロだ。憶測だけど。

その後説明を受けてから私たちは卒業生や近辺の高校に聞き込み調査へ向かった。









_____






「この子たち、見たことありませんか?」


陸部の女子生徒二人を呼び止めて見守り自販機に映っていた生徒の写真を見せると、2人とも見覚えがあるようで話してくれた。

「400の人かな?去年2位だった!」
「次こそはって意気込んでたんだけど、今回居なかったよね?」
「うん。」

「バシリカ高校の生徒で間違いないって事ですよね?」

「「はい。」」

漸く有益な情報が手に入り安堵する。

「はいはいはい!!
 個人的に友達な人!」

伊吹さんの質問に、2人は顔を合わせて顰めた。
部活となれば、他校と合同練習をするのはよくあることだが…した事がないのだろうか。


「うちら、先輩からあそことは関わるなって言われてたんです。」

「どうして?」

2人は躊躇いながらも教えてくれた。

「トローチみたいな薬売りつけられそうになって。」

その一言にこれは怪しいだけでなく危険なニオイもしてきた。
もしかしたら、もしかしなくとも虚偽通報だけで収まらないかもしれない。



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作者名:古町小町 | 作成日時:2020年10月12日 0時

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