見つめ合って【zm】

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教室から見える桜に、今日から2年生になったのだと、ぼんやりと思った。


特に仲の良い友達が居た訳でもない1年生。

広く浅くを交友関係のポリシーとしていた私は、顔は広けど、結局はいい人止まりだ。



まだ人もまばらなこの時間帯。
もう少しすれば、友達作りに勤しむクラスメイトで騒がしくなるはずだ。
まぁ、私もその輪の中に入っていくんだけどさ。




……桜、綺麗だな。


高校生にもなれば、景色なんかより、オシャレや異性にばっかり興味がある様で、窓から覗く綺麗なモノに目を向ける気配はない。

景色を綺麗だと思ってくれる子となら、仲良くなれる気がするのにな。









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がたり、と隣から椅子に座る音がした。
驚いて横を見ると、緑色のフードを被った人。

…だれ。


私が交友関係を持っていたのは、同じクラス内だけで他クラスはしらない。
つまりこの人は他クラスって事になるんだけど……。



流石に挨拶とか、した方が良いよね。これから2年間一緒のクラスになるんだし第一印象って大事じゃん？
それに、私の隣の席になる人だし。でも、フード被ってて顔見えないし、こわ…。




誰に対しての言い訳か。

つらつらと頭の中で言い訳ばかり繰り返して、どう声を掛けようか悩んでいると、おずおず、と言った様子でフードの人がこちらを見てきた。


「…えと、あの……なに、か？」

『え、あの、いや……これから、よろしくね！』

「…ぁ、はぃ」


少し慌てながらも、ちゃんと元気よく挨拶したのに、その人はか細く返事したかと思うと、声を出さなくなった。



えー？言葉のキャッチボールしようよ…。


高校2年目にして、少し友達を作るのが大変かもしれないと思った。







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