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【どういう状況2】 ページ28
これで起きてくれなかったからどうしよう、と考えていると、ゆっくりと腕の力が緩んでいった。視線を上げると、こちらを覗き込んだ竜胆さん。目がぱちぱちと瞬きしている。
「寝てくれんの?」
「……はい。だから、起きましょう」
「俺の部屋で、俺と一緒に寝ろよ」
「それは……」と言葉を出す前に、ニッと笑う。
「約束な」
「……」
──完敗だ。
もうこの手は通用しそうにない。
起き上がって解すように肩を回す竜胆さんは、満足そうな顔をしていた。
「そう言えば……。竜胆さん、お兄さんが来てます」
起き上がって、伸びを一つ。固まった筋肉が伸びて、じわっと解れていく。自由に動く体と、ものすごい解放感。
「竜胆さん?」
私とは反対に、竜胆さんは肩肘を上げたまま固まっている。顔を見ると、青くなっていた。そして、気づいた。
これ、「お兄さん来てます」の一言で全部解決するやつだった。
二人して、ベッドで頭を抱えた昼下り。眩しい午後の日差しが、カーテンの隙間から部屋に入り込んでいた。
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作者名:はいず | 作成日時:2022年7月31日 22時