【Third facts】 ページ34
あれから、私達は、取り調べ室を出て会議室へ移動していた。
直人くんがホワイトボードの前に立って簡潔に図を書いている。
丸の中に蘭、竜胆、私の名前が書き込まれ、そして、少し離して、4つ目の丸には、部下と記された。
「四人目?」
「えぇ。前回の2017年ですが…貴女はどうやら灰谷兄弟に警察関係者だと知られていたようです」
「え?」
「心当たりはありますか?」
「まったくないよ…」
むしろ何で知っていたのかこっちが知りたい。
直人くんは、顎に手を置き、何かを考えている。
すごい既視感…
前と同じならこの後、嬉しくない事実を告げられることになる。
「完全な物かは不明ですが、あの二人にも何らかの形で、前回の2017年の記憶が残っている可能性があります」
「…」
キュッと心臓を握られたような感覚。
そして、告げられたのは、やっぱり嬉しくない事実だった。
前回の2017年、私が二人に連れて行かれてしまった後、直人くんは、龍宮寺くんに会いに行った際にすれ違った男の人を確保したそうだ。
その彼は、取り調べで、あの二人から警察関係者で茶髪のポニーテールに丸眼鏡、グレーのスーツの女を見かけたら渡した発信機を仕込むように指示されていたと供述した。
以前、その男性は、直人くんに検挙されたことがあり、直人くんが警察関係者だと知っていたため、隣にいた私もそうに違いないと思い、尚且つ、特徴が一致していたからと発信機を仕込んだらしい。
「彼が仲間の面会に来た際に、貴女を拘置所前で偶然見かけて発信機を仕込むタイミングを図っていたと供述しました」
割とアバウトな特徴だけでよく決行に至ったなと思う。
人違いだったらどうするつもりだったのだろうか…
発信機があったから家の場所を特定できたこと、前の記憶が残っているから下にいた蘭が顔を見てすぐに私だとわかったこと。
絡まってダマのようになっている疑問の一部が解けていく。
発信機という耳を疑う単語とそれを面識のない他人に仕掛けられたという事実
それだけでも、すでにキャパオーバーだ。
「直人くん、私、また人間不信になりそう…」
詳細を話しながら書き込まれたホワイトボードの"記憶が残っている可能性あり"という一文に軽い目眩を覚えながら、ため息とともに頭を抱えた。
【Task force】→←【Information provision】
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はいず(プロフ) - ATR214YSさん» ありがとうございます(*^^*)なかなか時間が作れず待たせしてしまい申し訳ありません!更新頑張りますので、またお時間のあるとは是非お付き合いいただけると嬉しいです! (2021年12月17日 20時) (レス) id: 99916fa5c7 (このIDを非表示/違反報告)
はいず(プロフ) - ttakedasaki0906さん» コメントありがとうございます!ゆるゆる更新でお待たせしてしまい申し訳ありません!これからも引き続き、更新頑張りますので、お時間のある時にお付き合いいただけると嬉しいです(*^^*) (2021年12月17日 20時) (レス) id: 99916fa5c7 (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - 待ってましたっ更新お疲れ様です! (2021年12月9日 18時) (レス) @page47 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
ttakedasaki0906(プロフ) - 楽しみに続き待ってます! (2021年12月7日 8時) (レス) id: 732dff87b6 (このIDを非表示/違反報告)
はいず(プロフ) - Marie Lunaさん» 温かいコメントありがとうございます!励みになります!時間の許す時に更新できればと思いますので、お暇な時にでもお付き合いいただけると嬉しいです(*^^*) (2021年11月19日 6時) (レス) id: 99916fa5c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はいず | 作成日時:2021年10月16日 13時