【Second time】 ページ14
開けろよ、と言われて素直にドアを開ける。
隔たる壁がなくなるとグッと手首を掴まれた。
そのまま引っ張られて身構える暇もなく、竜胆の腕に包まれる。
「やっと会えたな…」
「…出る前に明かりと戸締まりはさせて」
「必要ねぇよ。ほら、行くぞ」
部屋を出て、竜胆に手を引かれ駐車場に下りる。
平凡な住宅街のとあるアパートには、似つかわしくない高級車とその傍にスーツの男が立っていた。
「竜胆、ずりぃ…」
「また兄貴が行ったら絶対騒ぎになるだろ」
竜胆を見ていた視線が私へと移り細められた。
「久しぶりー」
先程の玄関前と同じくよく知った声。
状況は違うけれど、前回の再会と同じ台詞。
「蘭、直人くんはどこ？」
蘭の目を真っ直ぐに見て聞けば、ニコッと効果音が付きそうな、人好きのする笑顔でこちらに近づいてきて頭を撫でられる。
「どこだろうねー」
ずっと前の私なら撫でられて得意になっていただろう。
けれど、今はこの手がひどく怖い。
「直人くんの無事を確認できないなら一緒には行かないから！」
「へぇ…」
「はぁ…ついて来い」
ため息を吐いて竜胆に手を引く。
再び直人くんの名前を出した時の蘭の顔を見たからだろう。
大人しく手を引かれて駐車場へ向かう私の後ろを、蘭も離れずついて来た。
直人くんを置き去りにしてしまうからありえない選択肢だけど…逃げ出す、チャンスすらなさそう。
徹底的に選択を絞って、彼らについて行く以外の道を断たれているようだ。
直人くんの車が目に止まると、運転席のシートに項垂れたまま直人くんが気を失っていた。
慌てて駆寄ろうとすれば、後ろから腰の辺りを両手でホールドされて阻止される。
「A」
「っ！」
耳元で囁かれた低い声。
威圧感と底から這い上がってくる恐怖に、足がその場に縫いつけられたように動かせなくなる。
「行こっか」
エスコートされるように腰を抱かれたまま、上機嫌な蘭に連れられて、二人の車に乗り込んだ。
…また私は選択肢を取られてしまった
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はいず(プロフ) - ATR214YSさん» ありがとうございます(*^^*)なかなか時間が作れず待たせしてしまい申し訳ありません！更新頑張りますので、またお時間のあるとは是非お付き合いいただけると嬉しいです！ (2021年12月17日 20時) (
レス) id: 99916fa5c7 (このIDを非表示/違反報告)
はいず(プロフ) - ttakedasaki0906さん» コメントありがとうございます！ゆるゆる更新でお待たせしてしまい申し訳ありません！これからも引き続き、更新頑張りますので、お時間のある時にお付き合いいただけると嬉しいです(*^^*) (2021年12月17日 20時) (レス) id: 99916fa5c7 (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - 待ってましたっ更新お疲れ様です！ (2021年12月9日 18時) (レス) @page47 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
ttakedasaki0906(プロフ) - 楽しみに続き待ってます！ (2021年12月7日 8時) (レス) id: 732dff87b6 (このIDを非表示/違反報告)
はいず(プロフ) - Marie Lunaさん» 温かいコメントありがとうございます！励みになります！時間の許す時に更新できればと思いますので、お暇な時にでもお付き合いいただけると嬉しいです(*^^*) (2021年11月19日 6時) (レス) id: 99916fa5c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はいず | 作成日時：2021年10月16日 13時
