part1 ページ13
「………あぁ...?」
どこかで強く打ち付けたのだろうか。
まだ頭が鈍器か何かで殴られた時と同じ痛みを発しているが、視界はハッキリとしている。
辺りを見回すと、どこかで見たことがある部屋。
人は今起きたユウを除くと、男二人と女性二人が他にいる。
まだ起きてない他二人と自分を除いた男女二名は、各々で探索を始めているようだった。
「(モニターと...後は、何やってんだ?アイツは....)」
まず先にモニターを眺める水色の髪の少女が目に入るものの、そこは気にすることはなかった。
次に視界に映ったのは、何やら部屋中を彷徨いているメガネをかけた男。
『彷徨いている』ということしかわからず、具体的に何をしているのか...まではわからない。
話しかけようと近づいてみると、仄かに“嫌な匂い”が彼についている。
鉄臭く、且つ生臭い。きっと自分もどこかで嗅いだことがあるハズなのに、不思議とそれが思い出せなかった。
しばらく眺めていると、視線で気がついたのか、「な、何....!?」と目を見開いて驚く様子を見せた。.....少し、驚きすぎな気もするが。
そして、目の前にいる人物が先程の緑色の髪をした少女かと気づけば、少し落ち着いたようだ。
「えーっと……僕はコバヤシテツヤ。都会で数学の教師をしてて、まだ新人…なんだよね。よろしく。」
教師?
なら、どうしてあんな匂いが?
ふとそんなことが脳裏に浮かんだのか、少し訝しげな様子で顔を歪める。
きっと見えてはいないようだけれど、何故か彼からは少量の汗が滲んでいる。
「…アタシはミタケユウ。高校三年だ、よろしく。」
よほど不審に思っているのか、ついには相手を睨むような顔になってしまう。
元からの目付きが怖いのと相手への不審感が剥き出しになってるだけあって、ある意味流石だ。
握り返してきた彼の手も、少し震えているような気がした。
...教師の癖に、なんで年下にビビってんだよ。
そんな一言がユウの頭の中で浮かんでいた。が、それは言わないでおくとしよう。
自然と手を話した相へ去り際に舌打ちをすると、そのままモニターの女へと歩き出そうと数歩歩いた瞬間、ついにあの二人が目を覚ましたようだ。
「おぉ...?んだここ、病院.......ではなさそうだな。」
「.....ここ........どこ.......」
スーツの男は普通のようだった。
けれど、包帯をつけた少女はまるで深海のように暗い目だ。
....何故か、そんな彼女の目に、ユウは懐かしさと既視感のようなものを感じていた。
3人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神桜 - 久しぶりの更新 (2019年7月21日 3時) (レス) id: d3db07a9e6 (このIDを非表示/違反報告)
神桜 - 体調崩して、暫く更新できないです.... (2019年5月24日 14時) (レス) id: d3db07a9e6 (このIDを非表示/違反報告)
神桜 - かほりさん» おぉ...!!ありがとうございました!! (2019年5月23日 13時) (レス) id: d3db07a9e6 (このIDを非表示/違反報告)
かほり(プロフ) - なってますのでではなく載ってますのでです (2019年5月19日 16時) (レス) id: 5d3fef41b7 (このIDを非表示/違反報告)
かほり(プロフ) - 非公開になってました… すいません 今度の今度はなってますので、、、 (2019年5月19日 16時) (レス) id: 5d3fef41b7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:神桜 | 作成日時:2019年5月11日 21時