【鬼滅の刃】上弦の零 (ページ10)

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7話ページ10

ほんの少し、キャラ崩壊注意です。(鱗滝さんが疲労困憊で倒れてしまいます)
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鱗滝side．

『ｹﾞホ…ｯ』

予想外だった、まさか鬼が群れているなんて思いもよらなかった。

『(呪いのせいで鬼は基本的群れないはず…ならば何故…)』

色々な考えが巡る中ふと、不思議な匂いが漂ってきた。

『(この匂いは鬼…？然し、何処か違う…混ざっているこの匂いは…睡蓮の香り…？)』

疲れきった精神に鞭を打ち、ゆっくりと前を見ると目の前には一人の少女がいた。

？？「大丈夫？」

そう聞いてくる少女には敵意が感じられなかったが、そんな事を考えられる程余裕は無く思い切り刀を振るう。

──ざしゅり。と、少女の腕が宙を舞った。
少女はくしゃりと顔を歪めて腕を抑えている。

『(駄目だ、頸を斬れなかった…っ)』

そんな考えを頭に過ぎらせつつ、自分の意識が薄れていくのが解った。
視界は霞み、意識を手放す中で最後に聞こえたのは──

？？「──《血鬼術、睡蓮の凮》─」

という言葉だった。

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ふと、目を覚ますとそこは見知らぬ小屋の中だった。

『…此処は…』

ゆっくりと身体を起こすと不思議な事に気付いた。

『何処も…痛くない…？』

確かに自分は致命傷ではないが傷を負い、鬼の前で意識を失った筈だ。
然し喰われるどころか傷が治り、布団に寝かせられている。

？？「あれ、起きた？」

『ｯ！(気配を感じられなかった！)』

さっと後ろに飛び退き、刀を構える体制を取──

『(刀が、無い…！！)』

少女は少し困ったような笑みでゆっくりとその場に座る。

？？「少し、落ち着いて？僕の名前はA、よろしくね」

そこで漸く、目の前の少女から塵ほどの敵意が感じられないことを悟った。

『…済まない、少し感情的になり過ぎたようだ。儂の名前は鱗滝左近次、幾つか質問をしても良いだろうか』

A「もちろん、幾つでも」

『まず一つ、お前は鬼なのだろう、然し何故儂を喰わない？』

A「鬼だからって、食べる必要あるの？」

少女はさも当たり前かのように、きょとんと首を傾げ即答する。

『…では二つ目、お前は何者だ、鬼ではあるが少し違う、不思議な匂いがする』

A「僕？僕は上弦の零、そう呼ばれているよ」

そうやって少女はにっこりと微笑んだ。
頭に強く殴られたような衝撃が走った。