15話 ページ21
.(少しピンク表現注意)
童「美味しいかい?」
『…美味しい…』
何をしているのだろう、と自分でも思う。
『(仕方ないじゃん…膝の上に乗ってくれないとお菓子あげない〜なんて言われたら…何のためにここに来たのか分からないじゃないかぁ…)』
がっくりと肩を落としながらもぐもぐと口いっぱいにかすてらを頬張り腑に落ちないといったように何かを話し続けている童磨を無視している。が、全く気にしてないようで喋ることを一向にやめない。
童「ふふ、口元ついてるよ?可愛いねぇ」
『!』
後ろから優しく口元を拭われ、羞恥からかぁっと顔が熱くなる。
童「おやおや、照れてるのかい?可愛いなぁ」
『う、るさい…かわいくない…』
ふいとそっぽを向くがぎゅっと抱き締められ逃げ場がない。
童「素直じゃないとこも可愛いねぇ…でも、そんなに無防備だと──」
───食べちゃうよ?
そう耳元で甘く囁かれ、体が強ばるのがわかる。
童磨は金平糖をひとつ手に取ると徐に口に含み、顎に手を掛け唇を重ね合わせた。まるで繊細な飴細工に触れるように優しく、甘い口付けだった。
段々と深くなっていく口付けに息が苦しくなり、胸を押し返そうとするも簡単にいなされる。
不意に、永遠とも思える時間が終わり口付けで繋がった銀色の糸がぷつりと途切れた。
童「ふふ、気持ちいいねぇ…そんなに顔をとろんとさせちゃって」
『〜〜っっ、うるさい!!』
ばしんと部屋に乾いた音が響く。
童磨は叩かれた頬を抑え、きょとんとしながら何があったのかを理解出来ずにいた。が、すぐににっこりと何時もの取ってつけたような笑みを浮かべた。
童「ありゃりゃ…嫌われちゃったかな?」
『っ、ばか!助平!もう嫌い!!』
Aは童磨を睨みつけ、血鬼術《睡蓮の香》と呟きその場から消え去った。
童「はぁ…そういうとこだよ、上目遣いでさぁ…」
───やっぱり、欲しいなぁ……
そんな言葉が部屋にぽつりと響いた。
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ゆりか(プロフ) - お話終わりなんですか?(TT) (2020年8月17日 22時) (レス) id: ce3588ab80 (このIDを非表示/違反報告)
みたゃらしちゃ(プロフ) - きのみさん» ありがとうございます!! (2019年9月16日 20時) (レス) id: 677809eb29 (このIDを非表示/違反報告)
きのみ(プロフ) - 夢主ちゃんかわゆす (2019年9月16日 20時) (レス) id: b48d9d3d8e (このIDを非表示/違反報告)
きのみ(プロフ) - シリアスものんびりもどっちも好きなので大丈夫です (2019年9月16日 15時) (レス) id: b48d9d3d8e (このIDを非表示/違反報告)
みたゃらしちゃ(プロフ) - きのみさん» ひゃぁぁもうなんか、、好きです…これからも精一杯書かせて頂きます…(´;ω;`) (2019年9月16日 13時) (レス) id: 677809eb29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みたゃらしちゃ | 作成日時:2019年9月14日 22時