【鬼滅の刃】上弦の零 (ページ3)

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2話ページ3

錆兎side.

『──…ｯ！？(何だ此奴…足音も気配も全く無かった…！)』

突如現れた少女はふわりと微笑みながらこう言った。

A｢手鬼ちゃん、何してるの？｣

ゾワリ。
──心の底から恐怖を感じた。腹から頭の先まで悪寒が走った。

笑顔の筈なのに、無理矢理冷たく鋭い氷を飲まされたかのような感覚に陥った。
此奴は、敵に回しては行けない、そう本能が叫んでいる。

手｢…ｯ、上弦の、零…様……ｯ｣

さっきまで飄々とした態度で笑っていた鬼の表情が引き攣っている。

『(上弦の…零…！？聞いた事がない…！)』

A｢やぁやぁ、久しぶりだね！手鬼ちゃん！元気にしてた？ところでその子達は？｣

少女はにこにこと笑いながら目の前の鬼と会話をしている。

手｢此奴ら、は、鱗滝の所のガキで…今から食おうとしてた…とこで…ｯ｣

言葉に詰まりながらたどたどしく喋る姿からはありありと恐怖が伝わってくる。

A｢うんうん！そうだね！人食べないと生きてけないもんね！…でもさぁ…｣

そこまで言い切ると少女は消えた…否、手鬼の前に移動していた(・・・・・・・・・・・)。

『(早い…！)』

A｢──もう、充分でしょ？？｣

手｢───ｯｯ！！｣

鬼は目を大きく見開きながら口をわなわなと震わせている。恐怖からか言葉が喉を通らないらしい。

A｢この子達、貰っていくね？ほら、おいでよ君達｣

ゆっくりとでこちらに手を差し出してくれる姿は…

先程とうって変わり、とても優しげ見えて、つい手を取ってしまった。