検索窓
今日:7 hit、昨日:3 hit、合計:245,002 hit

三十四仕事 ページ36

.


酔っ払いとは本当に面倒臭いものだ。

双葉は、恥ずかしさを通り越して呆れの境地に入った。



話しかけてもちゃんとした返事は返ってこないし、酔いを覚ませようにも、さらに酒を飲み出す。

さらに、酔いの勢いかは知らないが、接吻までされると、双葉はもうどうしていいのか分からなかった。

さらに、双葉にやらかしてきた当人である久世は、その1回で満足したのか、一瞬で眠りについた。

白雪姫逆バージョンかよ、と変なツッコミを入れたところで、双葉はようやく羞恥心が溢れてきた。

「………初めて、だったのにぃ……!!!!」

心の叫びだった。
といっても、叫ぶというほどの声量は出していない。
眠る久世を気遣ってのことだった。

どこまでも雇用者中心の行動だった。

「ひゃぁぁぁーー!」

声を抑えながら、どこにも吐き出せないぐちゃぐちゃとした複雑な想いをソファの背もたれを殴ることで落ち着かせる。

そして、双葉は悟ったような目をしながら後片付けを始めるのだった。

双葉はこういう時だけは切り替えが早かった。



そして翌日。

双葉は、久世がどんな反応をしてくるか気になっていた。

気まずい気持ちもあるが、とりあえず相手が昨日のことをどう思ってしたのか気になる好奇心の方が強かった。

いや、気まずいやら恥ずかしいやらの気持ちも中々に強いが。

双葉は、朝食と二日酔い用の薬を準備して待機した。

そしてヤツは起きてくる。

「おはようございます」

「…ああ。……昨日何かやらかしてないか?」

この発言で双葉は察した。

いや、なんとなく分かっていた。
久世は昨夜の記憶がないということを。

とりあえず、

「久世さんお酒弱いんですね。凄く面倒臭い酔っ払いだったこと以外には“何も”なかったですよ」

そう返しておいた。


.

三十五仕事→←三十三仕事



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (188 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
307人がお気に入り
設定タグ:BL , 男主 , 家政夫   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 白銀の狼さん» 猫たちの名前は白銀の狼様の案を採用させて頂きました!ありがとうございました! (2019年12月15日 23時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - アリアさん» 名前ありがとうございます!わざわざ作者の戯言にも気遣いいただいて…続編は作ります (2019年12月8日 13時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 白銀の狼さん» センスある名前ありがとうございます! (2019年12月8日 13時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 猫の名前ですが、きゃらめる、とかちょこ、とかばにら、とかひらがなでスイーツ系でつけてそうです...!私は続編に行こうが見ますし、作者様が作りたくないと言うなら素直に受け止めますのでじっくり考えて続編出すか出さないか決めてください♪ (2019年11月11日 18時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
白銀の狼(プロフ) - 猫さんの名前お母さんはリズ、お兄さんはリオ、弟さんはリトなんてどうでしょう? (2019年11月11日 0時) (レス) id: d028fadf80 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ひぃ | 作成日時:2019年5月6日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。