三十三仕事 ページ35
.双葉 視点
俺は何か間違ったのだろうか。
いや間違っていないはずだ。
間違っていないと信じたい。
「ふぁ〜？ なぁにやってんだぁ、双葉ぁ」
久世さんにお酒を飲ませたことを!!!
＿数時間前＿
今日も通常通り家政夫としての仕事を行っていた。
少し休憩で子猫兄弟と遊んでやっていた(遊ばれていた)ら、久世さんが帰ってきた。
今日久世さんは仕事がお休みだったらしく、今朝から何処かに出掛けていた。
最近久世さんが健康的で嬉しかったりする。
あっちの機嫌が良いとこっち側の雰囲気も良くなるのだ。
これは猫のおかげだろうか。
ありがたやありがたや。
拝んでおこう。
さっき俺の靴を引っ掻き回ったことは水に流してやろうじゃないか。
「……帰った」
「おかえりなさい。久世さん」
久世さんを迎えると、すごく黒いというか暗いオーラを纏った久世さんが立っていた。
暗いオーラを出してるのにイケメンなままは凄く羨ましい。いや、ズルい。
「双葉、お前酒飲めるか」
「飲めます、けど」
そういえば、ここで働いてからマトモにお酒飲んでないや。
まあ、そんなに好きじゃないからいいんだけど。
それがどうしたのかと、久世さんを見る。
「付き合え」
「…へっ？」
そんなこんなでズルズルとここまで来た。
そう。久世さんに一緒にお酒を飲むことを要求されたのだ。
そういう意味の付き合えではない。
「はぁー……なんだあの女ぁ〜、なんでだよ〜…」
久世さんはさっきからこの調子だ。
なんでも女性にフラれたらしい。
あの日この家に連れ込んでいたあの女の人だ。
ヤってたのにフラれたのか。可哀想に。
あれ、こんなに俺があっさり言っていいものだろうか。まあ、いいや。
そして、久世さんはお酒に弱いらしい。
酔ってからずっとこちらに絡み続けている。
…良かった、俺酒強くて!!!
俺はお酒を飲もうとする久世さんに水を与える。ただそれだけの作業を繰り返している。
早く酔いよ覚めろ。
「……いける」
久世さんは俺をじっと見てそう呟いた。
何がいけるんだろうか。
「いい？」
「なにがでしょうかね」
「ありがとう。感謝する」
いや、俺何も言ってない。
質問に答えが返ってこないことに絶望しつつ、酔って久世さんじゃない、もはやニセさんを見やった。
言葉のキャッチボールをしようと意気込むも、言葉は発せなかった。
「……っん」
キスを、されたのだ。
.双葉 視点 終
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壱(プロフ) - 白銀の狼さん» 猫たちの名前は白銀の狼様の案を採用させて頂きました！ありがとうございました！ (2019年12月15日 23時) (
レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - アリアさん» 名前ありがとうございます！わざわざ作者の戯言にも気遣いいただいて…続編は作ります (2019年12月8日 13時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - 白銀の狼さん» センスある名前ありがとうございます！ (2019年12月8日 13時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 猫の名前ですが、きゃらめる、とかちょこ、とかばにら、とかひらがなでスイーツ系でつけてそうです...!私は続編に行こうが見ますし、作者様が作りたくないと言うなら素直に受け止めますのでじっくり考えて続編出すか出さないか決めてください♪ (2019年11月11日 18時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
白銀の狼(プロフ) - 猫さんの名前お母さんはリズ、お兄さんはリオ、弟さんはリトなんてどうでしょう？ (2019年11月11日 0時) (レス) id: d028fadf80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひぃ | 作成日時：2019年5月6日 21時
