二十九仕事 ページ31
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「久世さん、久世さん、見てください」
「……やっぱりお前の方が猫に好かれているだろ。その写真は俺に対する当て付けか？」
そう言い、久世は今までにない凄みをみせながら、双葉を睨みつけた。
こんなに怖い雰囲気を出しているが、話題はただの猫の話だ。
しかも好かれている好かれていない、などという当事者でしか交えない、第三者からすればどうでもいい会話。
双葉は、久世が仕事に行っている間に撮れた猫の愛らしい姿を携帯のカメラに収めていた。
それを今、仕事帰りの久世に見せたという経緯がある。
写真の中の猫は、黒のトラ柄の仔猫で、お腹を見せて転がっていた。
さらに、両前足をカメラに向けているため、ピンク色の肉球もバッチリ写っている。
やはり、この写真を見た久世は悶えた。
目の前に双葉がいるので、少々自重したが。
「にゃーぁ」
「あ、ほら久世さん。お母さん来ましたよ。ほらほら」
お母さん、と呼ばれるのはあの灰色のトラ柄猫だ。
病院での診察によって、二匹の仔猫の親だということがはっきりと分かり、双葉によってそう呼ばれるようになった。
ちなみに久世はもっといい呼び名がある、とずっと悩み続けている。
「ほら、ってなんだ。ほらって、」
どうしたらいいのか、と手を彷徨わせる久世に、可笑しさを感じてクスクスと双葉は笑った。
「久世さん、こうやって優しく撫でるか、もう一気に抱っこしましょう！」
「にゃー」
「ほら、お母さんも撫でて欲しいって！」
双葉にそう言われ、久世はそっとお母さんを撫でた。
猫はぐるぐると喉を鳴らす。
双葉はそんな一人と一匹を眺めながら、実は猫達は久世の方が好きなのではないかと考えた。
だって、自分が撫でようとしても特に母猫は素早く逃げて、ご飯の催促ばかりをするのだから。
それにしても、と双葉は笑う。
以前よりも久世と自然に話せるようになったかもしれない。久世と笑い合えるようになったかもしれない。そんなことに幸せを感じながら。
猫達の呼び寄せた新たな風に感謝しながら。
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壱(プロフ) - 白銀の狼さん» 猫たちの名前は白銀の狼様の案を採用させて頂きました！ありがとうございました！ (2019年12月15日 23時) (
レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - アリアさん» 名前ありがとうございます！わざわざ作者の戯言にも気遣いいただいて…続編は作ります (2019年12月8日 13時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - 白銀の狼さん» センスある名前ありがとうございます！ (2019年12月8日 13時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 猫の名前ですが、きゃらめる、とかちょこ、とかばにら、とかひらがなでスイーツ系でつけてそうです...!私は続編に行こうが見ますし、作者様が作りたくないと言うなら素直に受け止めますのでじっくり考えて続編出すか出さないか決めてください♪ (2019年11月11日 18時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
白銀の狼(プロフ) - 猫さんの名前お母さんはリズ、お兄さんはリオ、弟さんはリトなんてどうでしょう？ (2019年11月11日 0時) (レス) id: d028fadf80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひぃ | 作成日時：2019年5月6日 21時
