二十二仕事 ページ24
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夜はあまり眠れず、寝不足な双葉はフラフラと朝食の準備をしに部屋を出た。
久世と今日朝から顔を合わせるのが苦痛だ。相手は聞かれていたことを知らないかもしれないが、こちらは完全にやることをやっていたのを知っているのだ。
あの声の主である女性は、まだこの屋敷にいるのだろうか、と若干の気まずさを感じていた。
朝食が完成して、食卓に並べていた時、ヤツはやってきた。
1人の綺麗な女の人を連れて。
「お、おはようございますっ!」
動揺して少し上擦った声で挨拶をしてしまった双葉だった。
「双葉。朝食を二人分に直せるか?」
「は、はいぃ!」
双葉は、危なっかしい足取りでキッチンへ戻った。
久世は、そんな双葉を知らない女がいることに対しての動揺していたのだと思ったのだが、半分正解で半分違った。
「ど、どうぞ」
「ありがとう。……貴方はここの…メイドさん?」
「違います! 家政夫です!」
「同じようなものだろ」
「あっちは女性ですけど!?」
双葉は、女の人に話しかけられドギマギとしていた。変な態度を取らないように細心の注意を払おうとして。
「…彼女は、俺の会社の社員だ。彼女の自宅への電車がなかったから昨夜泊めていた」
「なるほど」
ずっと訊きたかったことを話され、頷いた。
じゃあ昨日聞いたアノ声は気のせいかと、双葉は自分を安心させようとした。
気のせいでもなんでもなく、アノ声はアレをしていたアレな声だったのは事実だ。
双葉は、記憶を抹消しようと頑張るが出来なかった。
双葉は、結局引き攣った笑みで二人を仕事に見送った。
もう二度と他人の部屋に聞き耳を立てないと誓いながら。
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壱(プロフ) - 白銀の狼さん» 猫たちの名前は白銀の狼様の案を採用させて頂きました!ありがとうございました! (2019年12月15日 23時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - アリアさん» 名前ありがとうございます!わざわざ作者の戯言にも気遣いいただいて…続編は作ります (2019年12月8日 13時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - 白銀の狼さん» センスある名前ありがとうございます! (2019年12月8日 13時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 猫の名前ですが、きゃらめる、とかちょこ、とかばにら、とかひらがなでスイーツ系でつけてそうです...!私は続編に行こうが見ますし、作者様が作りたくないと言うなら素直に受け止めますのでじっくり考えて続編出すか出さないか決めてください♪ (2019年11月11日 18時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
白銀の狼(プロフ) - 猫さんの名前お母さんはリズ、お兄さんはリオ、弟さんはリトなんてどうでしょう? (2019年11月11日 0時) (レス) id: d028fadf80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひぃ | 作成日時:2019年5月6日 21時