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越前リョーマのスペシャルミッション#4 ページ4

一人残された彼女は呆然としててから、けたたましい警報音で我に返り警報機へと駆け寄った。
すぐさま首にかけたICカードをかざしサイレンを止める。
ピタッと世界から音が消えた。そう表現しても差し支えない程、辺りに静寂が訪れる。
ミッション組の気配はすでに感じられない。



「いやー……そっかぁ……」



ポツンと立ち尽くす##NAME1##。頭の中では「また夜中に起きなきゃいけない」の一文だけが残る。
もちろん毎年一発でミッションをクリア出来ている訳じゃない。
しかし去年、一昨年があまりにもすんなり終わっていた為、今年も一回で済むかもしれないと期待していたのだ。

戻って寝ようか、もうこの際朝食まで起きていようか。
半分放心状態のままふらふらとラウンジを後にする彼女の元に、一本の着信が入る。



「もしもし?」

「はい、##NAME1##ちゃん。こんばんは」



のんびりとした声色と口調。メンタルコーチの齋藤だ。
一瞬「なんでこんな時間に……」とも思ったが、非常警報が鳴ったらそりゃ起きるか、と心の中で納得する。
恐らく、防犯カメラの映像に映ってるのが見えているのだろう。
##NAME1##がカメラに向かって手を振ってみても、斎藤コーチが小さく振り返す姿は残念ながら彼女側から見えない。



「彼ら、来たんですよね?どうでしたか」

「警報の音にビックリして帰っちゃいましたよ。何も答えられずに」

「そうでしたか」



それは残念。と苦笑が耳に届く。わざわざ起きなきゃいけないコーチ陣も大変だ。
グルグルとレストランを練り歩きながら斎藤コーチと話していれば、段々と目が冴えてきた。
やっぱり起きておくか。ランニングでもしよう。
そんなことを考えていると、斎藤コーチから捉え切れないひと言を告げられる。



「外にお迎えがいるみたいなので、僕はこれで。
おやすみなさい、##NAME1##ちゃん」

「え?はい。おやすみなさい……?」



##NAME1##のおやすみなさいが疑問符であったにも関わらず、斎藤コーチはそれ以上何も語らず通話を切る。
お迎え?なんのこと?不思議そうな顔をした彼女は彼の言葉の理解が出来ないまま、レストランから外へと足を踏み入れた。
深く暗い空には未だ変わらず、星々が煌めく。



「##NAME1##さん」



レストランを背に走り始める前。
不意に名を呼ばれて振り返る。
星明かりを受けて佇む男が一人。そこに居たのは……。



徳川カズヤとの約束#1→←越前リョーマのスペシャルミッション#3



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設定タグ:新テニスの王子様 , テニスの王子様 , U-17   
作品ジャンル:ラブコメ
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Haiter(プロフ) - めいさんさん» 返信、更新、共に遅くなってしまい大変申し訳ありません……。停止している間もコメントを頂ける事、大変嬉しいです!励みになります!コメントありがとうございました!! (11月19日 21時) (レス) id: fd3983f77f (このIDを非表示/違反報告)
めいさん(プロフ) - 面白すぎて一気読みしちゃいました!!執筆して下さりありがとうございます!! (9月2日 3時) (レス) @page20 id: abdb809fc9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっち - 面白かったです。更新頑張って下さい (2023年2月20日 23時) (レス) @page20 id: f8c9fe1d36 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Haiter | 作成日時:2021年7月25日 21時

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