【銀魂】この世界があまりにも幸せだったから【吉田松陽 虚】

じゅうさん ページ14

役所では今日は都合よくお偉いさん方が集まる会合だったようだ




役所の中を見るともう既に下っ端は松陽さんを捕らえに向かったようでお偉いさん方だけが広間で酒を呑んでいた




あれ？あの上座の偉そうな人、高杉くんいじめてた子に似てる…



父上に言い付けたって彼奴のことか、



なら、話は早い




『お晩で御座います。幕府のお役人様方
夜分遅くの失礼、先に謝罪申し上げます』




優しく微笑み丁寧に三つ指をついて座礼すると一斉に此方に視線が向く



私の顔、体を順に見るとニヤニヤと厭らしい視線に変わった




役1『はっはっは、よいよい、用とは何だ？名を名乗れ、酌でもするがよい』




誰が松陽さん以外に酌なんかしますか、こっち見るな気持ち悪い



という本音は呑み込む



『ご温情痛み入ります。わたくし、吉田松陽の妻、吉田Aと申します』




吉田松陽の名に場がざわついた瞬間



一瞬で上座のあのお役人の背後を取り、首もとに抜き身の刃をピタリと当てる

波紋に軽く血が滴った





『おっと、皆さん動かないで下さいね？

大丈夫、これから私が言う事を聞いて下さるならば、誰も怪我はしませんから』



動くな、と言わずとも気圧されて誰一人動けていない




ニコリと場違いに微笑むと話を続けた




『一つ目に、松下村塾に近頃有らぬ噂が立てられているようですが、あれまったくのデタラメです。

揉み消して頂きたい。

二つ目、松下村塾の取り潰しをやめて下さい。

あそこ、我が家兼学舎なので無いと困るんですよ。




三つ目、 私の夫を侮辱しないこと




以上です。簡単でしょ？


ちなみに、吉田松陽は私なんかよりより、ずぅっと強いですよ。

私なんかで気圧されていては捕まえられませんね。』




今言った事、出来ますよね？

ああ、この事は他言無用でお願いしますよ？


若干刀に力を込めて笑うと、お役人達は揃ってコクコク震えながら頷いた




よし、一件落着！ですね！


殺しされしなければ松陽さんにも怒られないだろうし

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