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百四十一 ページ9

遥「…は?何、言って」
胡蝶「信じられないなら門前に行きな!」
遥「っ!一期!」
一期「はい!」




まさか。

そんなことあるわけが無い。

前の奏先輩のお兄さんみたいに、誰かに操られてるとか。

そもそもそっくりさんだとか。

きっとそう。

そうであって。




そんな願いも、目の前に広がる光景に虚しく砕かれた。




遥「…ひ、な…?」




大軍の中心にいるのは、紛れもなく雛。

わかっている。

わかってるけど。

違うと、言ってくれ。




雛芥子「…ごめんね、遥ちゃん」
遥「…怪我は…」
雛芥子「嘘」
遥「…なんで…?なんでこんなことになってんだよ…!」




そう問うと、雛は感情の読み取れない笑顔を浮かべながら言い放った。




雛芥子「突撃!!」









鬼神丸「主殿!こっちに来い!」
遥「…」
一期「っ!」




呆然と立ち尽くしている遥殿に真っ先に駆け寄る。




一期「遥殿!こちらへ!」




手を引くが、弱々しくされるがままになっている。

敵軍は他の者に任せ、私と鬼神丸殿は奥にある審神者部屋へ入った。




鬼神丸「っ…くそ、完全に騙された。まさかあちら側の者だとは」
一期「ですな」
鬼神丸「奏殿のことは、奏殿の兄達が何とかすると言っていた。1番上の兄とは面識があるが、実力のあるお方だ。心配は要らんだろう」
一期「ひとまず安心、というところでしょうか」
鬼神丸「あぁ。だが…」




我々は遥殿の方を見た。

遥殿の目は、黒く淀んでいた。

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作者名:桜海 | 作成日時:2019年1月31日 0時

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