百六十一 ページ29
一期「遥殿はどこにおられるのでしょう」
鬼神丸「彼奴の霊力は感じ取りやすい。この建物のどこかにいるのはわかるが…」
陸奥守「うむ、手分けして探した方が良さそうじゃけんど…政府本部でばらけるのはのう」
転送装置で政府まで飛んだはいいものの、やはりそう簡単に見つかる訳もなく。
我々は途方に暮れていた。
そんな我々の唯一の救いは、陸奥守殿の肩に乗っているこんのすけだった。
陸奥守「別におまんまで危ない橋を渡る必要はないのにのう、こんのすけ」
こんのすけ「いえ！親愛なる遥様の危機！このこんのすけ、火の中水の中油揚げの中必死に探します！」
鬼神丸「油揚げの中なら、お前は喜んで探しに行きそうだな」
一期「百人力ですな」
こんのすけ「任せてください！」
鬼神丸「…もしかして、馬鹿にされたことに気付いていないのか…？」
一期「…そのようですね…なんと鈍感な…」
1番手っ取り早いのは、新殿に聞くことだが、教えてくれるはずがない。
こんのすけ「私が1番怪しいと思うのは地下牢でございます。ですが…」
一期「…でしょうな」
こんのすけ「はい。至る所に見張りがいます」
陸奥守「どうしたものかのう…」
鬼神丸「強行突破が1番手っ取り早いだろう」
陸奥守「…ふむ…」
どうしようかと全員で悩んでいるところに、1人女性が通りかかる。
刀剣男士が政府本部にいることは珍しくないためさほど気にしていないらしく、そのまま会釈をして通り過ぎて行った。
先程からいろんな人がこのような感じで通りかかるが、そろそろ怪しまれるところだろう。
陸奥守「あ！ほうじゃ！その手があった！」
陸奥守殿は手をぽんと叩き、我々に耳を貸すように言った。
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作者名：桜海 | 作成日時：2019年1月31日 0時
