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河原井さんとは駅で別れ、1人暗い道を歩く。
思っていた通りすぐに彼から電話が来て、どんな反応をするのか楽しみすぎて口角が上がった。
とりあえず何事も無かったように電話に出て感想を話せば、彼はボソッと「ずるい。」と呟いた。
「えぇ？」
「来ないって言ってたじゃん！」
「喜んでくれているようで何より。」
それも気にせずに細かい感想を言っていると、彼は完全に拗ねたふりをすることを決めたのか一言も話さなくなった。
「あと＿＿＿＿」
ふと、紹介RAPの一言を思い出した。
『付き合ってください！』
彼から猛アタックをされている私からすれば、完全にあれは私に向けたもの。
しかもバッチリ目が合ってた。
完全に黒だ。
あれから会場で貴方のことが見れなくて困ったんです、とても。
「…あと、ライブに私情は挟まないでください。」
「え？」
「まぁファンサービスってことになってるから良いけどね。調子に乗りすぎないこと！」
電話を強制終了し、スマホをポケットに突っ込んだ。
亮平、今あたふたしてるのかな。
笑いをこぼして、私は郵便受けを開けた。
すると、中から1枚の黒い便箋が足元に落ちてくる。
「…なに、これ。」
恐る恐る封を開けると、その中には私の盗撮写真が入っていた。
裏に書いてあるメッセージに、私は吐き気と寒気が止まらなかった。
〈ずっと見てるよ〉
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作者名：桜海 | 作成日時：2020年5月28日 23時
