【中村悠一】 中村の嫁はわがままがーる

少女漫画かっ！ ページ14

杉田が出雲さんとよくゲーセンに行っていた。そして熟愛中だと騒がれる中なぜか俺には心配メールが来る。

《大丈夫か？》
《きっぱり諦めろ・・・。杉田だって異性に恋するんだ・・・》

言っておくが俺は杉田と交際していない。
最近、杉田はにやつきながらケータイを見る。

「今更だけどきもいぞ」
「女神からメールくるんだよね〜」

なぜかこっちを見ながらそういってきた。
それよりも・・・

「女神ってなに」
「出雲ちゃんにつけたあだ名。
出雲→出雲大社→神→女神ってな感じで」

あだ名で呼び合うまでの関係になっていることに驚いた。
そして、羨ましいと感じた。
あぁ、まただ。杉田に出てくるこの感情。苛立ちに似たこの気持ち。

「今度エンカウントに女神が来る」
「は？」

変な気持ちを抑えていると杉田からそんなことを聞かされた。

「ゲストに女神」

コンポタを断られてから1年ほど。
まっっったく話していない。そんな息苦しい収録があるか。

あるんです。

俺と杉田の間にいるのは出雲さん。
なんとか杉田がいるからいいもののすごくぎこちない。

スマブラをやっている時、杉田がバカなことをしているから後ろから必殺技を出すということを数回繰り返していた。気づけば死んでいた。
戦場に残るのは俺と出雲さん。これはまずい。
そう思っていると話を持ってきてくれたのは出雲さんだった。

それは、コンポタの話。
一瞬焦ったけど、うまくいけば気まずかったことも笑いへ持っていくことができる。
そう考えて返事をしていくうちになんだか出雲さんと打ち解けた。

「あ、今度は3人でゲーセン行きましょうよ！だから、中村さんも連絡先交換しましょ？」

出雲さんのメルアドが俺のケータイに入ったとき杉田に感じてた感情がきれいに崩れていくように感じた。

なるほど、嫉妬か。

って・・・・少女漫画かっ！

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