ポータルの扉を叩けばー交差する時間ー

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北「目隠し完了っ。」



「北人くん？！」



後頭部の方からは北人くんの声、自分の目元を触れ

ば、長い指が私の目を包み込んでいる。





慎「なにやってんすか？笑」



翔平「そういうプレイですか？笑」




北「君たちは、まだまだだなぁ〜。心の目隠しだ

よ。」




それですぐにわかった。



つい最近、北人くんが言ってくれた言葉。




ー俺がAの目隠しになるよー




すると、いきなり目元から手を退けられて、視界が

明るくなる。



その瞬間、しばしばとする視界の中で一瞬、壱馬く

んと目が合った。





だけど、すぐに私は北人くんに腕を掴まれて、行く

よ！と無理やり席を立たされて奥のガレージへ走り

出す。





「えっ？！ちょっと、北人くん？！」




そのまま北人くんは、無言のまま私の腕を持ったま

ま、走り一番奥のガレージまで来ると、おもむろに

梯子を登り出す。




その先を見れば、ロフトのようになっていて上に上

がることはできるようだ。




北「来て、A。」



先に登りきった北人くんは、上から顔だけ覗かせて

私を呼ぶ。



錆びついた梯子を登り、中腰にならないと歩けない

ロフトの奥には、また一枚の扉が。




こっち、と言われてその扉を抜けると、





「わぁ〜！」


北「綺麗っしょ？」



そんなに広くはないけれど、ガレージの屋上と言え

るようなスペースがあった。





そして夜空を見上げれば、まるで宇宙かのような星

が散りばめられている。





「ネオンもたくさんあるのに、それでもこんなに見

れるなんて…。」



私の世界では、ビルの光によって空に星が見えるこ

となんてほぼ無い。





だけど異世界だからか、その空はネオンに負けず、

宇宙のような輝きを放っている。




北「この世界で、唯一好きなところ。夜空が綺

麗。」




「これはすごいね！今まで全然、気づかなかった

よ！」



私はこの景色を、目に焼き付けた。




すごいすごい！と大興奮の私はその時、壱馬くんの

ことは頭からすっかり抜けていた。





その時、北人くんに手を握られてビックリした私は

隣に立つ北人くんを見上げれば、真剣な顔で私を見

ていた。





「北人くん…？」

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