私はわたしー愛しい距離４ー

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父「いやいや、こちらは全然！

だけど、その様子じゃ…？」


パパがニコニコ、いやニヤニヤ聞くもんだから小っ恥

ずかしくなったいたら、壱馬くんは堂々と話し続け

る。



壱「二転三転しましたが、二人で無事に落ち着きまし

た。これからはAさんと改めて、結婚を前提にお

付き合いさせて頂きたく思っています。」



「けっ…？！」

ナミ「わーお！」



一礼して頭を上げた壱馬くんとは対照的に、私も含め

た四人はビックリ顔。




父「…娘の幸せは、親の幸せでもあるからさ。もちほ

ん壱馬くんの親御さんも同じ事を思っていると思うん

だ。だからどんな形であれ、これからの二人をこちら

は歓迎するよ。」



「パパ…。」




色々あった時期に、パパが静かに見守ってくれていた

のは分かっていたけれど、私が出した答えを受け入れ

てくれたパパの姿は、いつか私も同じ立場になった時

同じことができたらいいな…。




壱「ありがとうございます！」

「ありがとう、パパ。」






それから私と壱馬くんはもう一度、じいちゃんのお墓

まで戻り、改めて手を合わせて報告をした。




なんだか、じいちゃんが「世話が焼ける二人だ」って

言っていそうだね、と吹き出してパパたちの待つ所ま

で手を繋いで歩き出す。








大好きだからこそ、大切だからこそその距離に戸惑っ

ていた。



相手を思いやるばかり、複雑に捉えすぎて考えすぎ

て…。



もちろん相手を大切に思うことは大前提だけれど、私

たちはもっとシンプルで良かったのかもしれない。




壱馬くんという存在に対して自分を比較するのではな

く、「シンプルに壱馬くんを好きな私」を見失わない

ように。






ーendー

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