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ー嘉将ー


竜「…腹、減ってね?」


嘉「え…?」



竜「俺、まだ飯食ってなくてさ。めちゃくちゃ腹減っ

てるから、付き合ってよ。」



嘉「でも…、」



竜「そうそう!美味い酒がある所、最近発見したん

だ!」




そう言って、また自分の肩を抱いて歩き出す竜太く

んは前を向いたまま、小さく言った。




竜「一途に思い続ける姿、俺はカッコイイってずっと

思ってたぞ。」



嘉「え…、」



竜「だから自分が情けないなんて、思う必要ないから

な。」




そう言って、いつもと変わらない太陽みたいな笑顔を

向けてくれて、不覚にも目頭が熱くなる。





あーあ、一人帰って抜け殻になるつもりだったのに、

こんな言葉かけられたら、帰れないじゃん。




嘉「仕方ないなぁ。今日は竜太くんに付き合ってあげ

るよ。」



自分もいたずらに笑って言えば、竜太くんは思っても

みなかった返事に少し慌てた様子で、



竜「おっ、おい!なんだその上から目線は!!俺はな

ぁ〜…、」


嘉「はいはい、行くよー。で、お店どっち?」


竜「こっち…って、まだ話し終わってないぞ!」





Aさんが弱ってる時につけ込んだ、なんとなくそ

んな自分が情けないと思っていた。




彼女の支えになれなかったことが、カッコ悪いと思っ

ていた。




だけど竜太くんの言葉は、この恋が無駄じゃなかった

という意味合いが含まれているように聞こえて、少し

だけ報われた気がした。




嘉「やっぱり、さすが最年長だね。」


竜「まっ、まぁな〜!」


嘉「ふふっ。笑」


竜「なんだよ!汗」


嘉「別に〜。笑」


竜「ちょっ!気になるじゃんかよ!!」






Aさんも、前に進んだんだ。



自分も、前に進まなきゃ。



胸を張って、また会える日まで。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




加納くんと話し合った日から数日経ち、今日はクリス

マス。



カップルから家族連れで混み合う店内は、忙しくても

一年で一番好きな光景だ。




お店の扉が開いた合図の音が鳴った私は、片付けたお

皿を手に持ちながら笑顔で振り返る。




「いらっしゃいませ!」



お皿を置いて来店したカップルに近寄り、


「ご予約のお客様ですか?」



彼氏の方は笑顔で返事をし、一歩後ろにいる彼女の方

もニコニコしていて、こっちまで幸せな気持ちにな

る。

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設定タグ:THERAMPAGE , 川村壱馬   
作品ジャンル:恋愛
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みそじ(プロフ) - ましゅさん» お返事遅れてしまいごめんなさい( ; ; )こちらこそ最後までお付き合い頂きありがとうございました! (2021年3月22日 22時) (レス) id: 4773dc142a (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ - わぁー(;_;)壱馬くんsideとカリンsideありがとうございました!良かったです。改めて完結おめでとうございます☆ (2021年2月28日 22時) (レス) id: ad7747e186 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - ma9さん» お褒めのお言葉ありがとうございます!更新できるよう頑張ります! (2021年2月12日 10時) (レス) id: 6c1fcd7cbb (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - まりさん» コメント&お褒めのお言葉ありがとうございます! (2021年2月12日 10時) (レス) id: 6c1fcd7cbb (このIDを非表示/違反報告)
ma9 - おまけストーリー面白かったです。サイドストーリー楽しみにしてます。頑張って下さい。 (2021年2月8日 22時) (レス) id: aa709fe039 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みそじ | 作成日時:2020年10月19日 12時

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