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一度しか来た事がないけれど
相変わらずその部屋は綺麗に
整頓されている。
慎くんがベットに近付くと、寝ていたであろう壱馬く
んはモゾモゾと布団の中で動き出したのが、ここから
でも分かる。
慎「頼まれた飲み物とー…あと、元気になる薬で
す。」
ガサゴソとビニール袋を漁ってから、私の方を少し振
り向いて手で示す慎くんに、私は目を丸くした。
だけどそれは私だけじゃなくて半身、身体を起こして
いる壱馬くんも同じ表情だった。
どうやら私の存在に、今気づいた様子…。
「いっ、いや！これはそのっ…、慎くんから連絡が来
てですね？！それで…、」
慎「僕がAさんに、連絡したんです。壱馬さんが
具合が悪いから来てほしいって。」
慌てて弁解する私をフォローしてくれる慎くんをよそ
に、小さくため息をついて再度ベットに仰向けになる
壱馬くん。
やっぱり、来るべきじゃなかったんだよ…。
彼の態度を目の前にして胸がズキリと痛み、涙が出そ
うになるのを必死に堪える。
すると慎くんは上着のポケットを漁り出したかと思う
と、
慎「あ、翔平さんから電話だ。ちょっと失礼しま
す。」
「えっ？！」
すると慎くんは、そそくさと部屋を出て行ってしまっ
た。
どどどどうしよう…。
いきなり2人っきりになってしまった室内で、嫌な沈
黙が私を圧迫する。
「あのっ…、私も少しだけど買ってきたから、ここに
置いておくね。」
と、近くにあったローテーブルにビニール袋を置く。
実はここに来る前、当たり障り無い物でも…と思い、
ドラッグストアでスポーツ飲料やゼリーなどを買って
来ていたのだ。
「じゃぁ…、私はもう行くね…。」
壱「待って。」
振り返ると、仰向けの体勢からゆっくりと顔だけこち
らを向く壱馬くんと目が合った。
壱「まだ…、ここにいてほしい…。」
少し掠れた声でそう言われ、私は思わず視線を外す。
「でもっ…、私がいたら迷惑じゃ…、」
壱「迷惑やないねん。風邪が…、せっかくAさん
の風邪が治ったのに、俺のせいでまたうつしたら…っ
て思って…。」
「じゃぁ、さっきのため息って…、」
壱「Aさんがまた風邪引いたら…、ってそこまで
考えずにAさんを連れて来た慎に対してのため
息。」
自分へのため息じゃなかったと知り、安心してしま
う。
その安堵は、相当なものだった。
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みそじ(プロフ) - ましゅさん» お返事遅れてしまいごめんなさい（ ; ; ）こちらこそ最後までお付き合い頂きありがとうございました！ (2021年3月22日 22時) (
レス) id: 4773dc142a (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ - わぁー(;_;)壱馬くんsideとカリンsideありがとうございました！良かったです。改めて完結おめでとうございます☆ (2021年2月28日 22時) (レス) id: ad7747e186 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - ma9さん» お褒めのお言葉ありがとうございます！更新できるよう頑張ります！ (2021年2月12日 10時) (レス) id: 6c1fcd7cbb (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - まりさん» コメント&お褒めのお言葉ありがとうございます！ (2021年2月12日 10時) (レス) id: 6c1fcd7cbb (このIDを非表示/違反報告)
ma9 - おまけストーリー面白かったです。サイドストーリー楽しみにしてます。頑張って下さい。 (2021年2月8日 22時) (レス) id: aa709fe039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みそじ
| 作成日時：2020年10月19日 12時
