nostalgic ２

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父「で？どうだった？

ショッピングセンターの件は。」





「そりゃ大変でしたよ…。立ち退き賛成派と反対派で

喧嘩になるし…。」




父「喧嘩ぁ？！」


母「誰と誰が？！」





勢いよく私を見た二人に、先ほどのいい歳したおじさ

んたちの喧嘩話しを、ため息混じりにソファに沈んだ

まま話した。







父「タカシ…あいつ、やるなぁ…。」



母、A「「いや、違うでしょ！？」」






母「まったく、何言ってんのお父さんは！身内で喧嘩

したって何にも解決しないのに！」




「ほんとそれ…。どうしたらいいんだか…。」






ぷんすか怒るお母さんに対して、私は出口の無い迷路

に入ってしまったような感覚になる。






父「お父さんも何か良い案がないか考えてみるから、

とりあえず飯だ、飯！」





腹減った〜なんて嘆くお父さんに、本当に考える気あ

るのか？と半信半疑になりながらも、私は重い腰を上

げてダイニングテーブルへ足を向けた。









夕飯を食べ終わった私は、自室の部屋に入るや否や、

ベットにボフンッと飛び込んだ。




だけどその瞬間、携帯がトークアプリの通知を知らせ

る音が鳴り、はいつくばるように鞄に手を伸ばして携

帯を取り出しそのアプリをタップすると、






吉野北人俺ら友達なのに連絡無視するとかひどいよ!






「…友達…、」




寝っ転がったまま、私はその画面を見て呟く。






北人くんは何日か前に電話をしている最中に私の充電

が切れてしまって以降、こうして説教じみたメールか

電話を毎日一回はしてきている。








だけど、私は黙秘を続けているわけでありまして…。





何度も迷った。




電話に出ちゃおうかな…とか、





メール返しちゃおうかな…とか。





でも壱馬くんと繋がる道筋を作ってしまうと、また彼

に引き戻されてしまうのが分かっているから、心を鬼

にして見て見ぬふりをしているってわけ…。





いくらそれが、友達の北人くんだとしても…。







私はお決まりのルーティンかのように画面を暗くし

て、ローテーブルに携帯を静かに置いた。






再度ベットに寝っ転がると、真っ白な天井がキャンバ

スかのように彼の顔が浮かび、そして描かれる。






笑った顔、少し恥ずかしそうにふてくされた顔。



真っ直ぐな目の真剣な顔と、時より見せる優しく微笑

む顔…。

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