nostalgic ２

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「商店街がショッピングセンターの

敷地になるかもって話し…、

いつからでてたの？」






するとお父さんとお母さんは、困ったように顔を見合

わせてから、





父「…Aが東京に行った日だ。」





お父さんが小さなため息を交えて、ダイニングチェア

ーに腰かけた。








なんてタイミングが悪いんだろう…。



神様のいたずらにも程がある。







母「でもねっ？せっかく旅行してるのに、水を差すよ

うなことをしたくなくて…。だから決してAに黙

っておくつもりはなかったのよ？」




お母さんも、さっき壱馬くんのことをお父さんから聞

かれて動揺してる私をフォローしてくれた時と同じよ

うに、慌てながらそう言った。






「うん…分かってる、お母さんたちがそういうつもり

じゃなかったってことも。」








それは、本当のこと。



東京に行く前はもちろん、向こうに行っていながらこ

の事実を知った私は、たぶん飛んで帰ってくると思

う。






それを分かってて、二人は気を使ってくれていたんだ

よね…。





それに私が壱馬くんをずっと好きで、やっと彼に歩み

寄る決心がついたことも気づいていたから、この機会

を無駄にしてほしくなったのも…。







そんなことを思っていたら、お父さんがおもむろに立

ち上がり、リビングの端に置いてあるチェストから何

枚かの紙を持って私に手渡した。






父「これから商店街の各店で、立ち退きの交渉が始ま

るだろう。」





手渡された紙をザッと見ると確かに、立ち退きへの交

渉を始める内容や計画が記されている。







「この通知を受けて金を払うから出て行ってくれ、と

言われてどれだけの店がそうしたいと思っているのか

は分からない。でも一店舗でもNOと言う店がある

なら状況は変わってくるらしいぞ。」






私は紙から顔を上げて、二人の顔を見る。





「じゃぁ…うちは…、」









父「もちろん、NOだ。」



母「そんなこと、させないわ。」






二人は、微笑んでそう言ったので、





「そう言うと思った。」






私も微笑んで、その紙をテーブルに置いた。






母「さぁ、今度こそ食べましょ！お母さん、もうお腹

ペコペコ！笑」




「うん、そうだね！」




父「デザートはAの東京土産だな！」









その時、キッチンカウンターに置いてあった私の携帯

が着信を知らせるために鳴った。

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