45 ページ45
今までの北ちゃんも私の後をくっついて
回ることは多々あったけど、
あの雨の日以来、それはさらに加速したように思える。
ーある日の昼下がりー
「今日夕飯何にしよう…。」
私がローテーブルで携帯片手に献立を探していた時、
北「オムライス!」
と、さっきまで樹くんとソファで話していた北ちゃ
んが私の真後ろに来て、一緒に携帯を覗き込んできた。
いわゆるバックハグ的な。
「ちょっ…!近いよ!!」
いっきに顔に熱が集まる。
北「いいじゃん、誰も気にしてないよ〜。」
気にする人…ここにいるから!
慎「え、なんか北人さん距離感、おかしくないっす
か?」
翔平「なぜだ…なぜなんだ…。」
樹「…。」
慎くんと翔平くんに、ものすごく怪しまれている。
「ほらっ!みんなとお話ししてて!」
北「えぇー、やだ。」
「なっ?!」
グイグイと北ちゃんを手で押すも、力はやっぱり男
の子で、あっけなくまたバックハグの体制に戻され
てしまった。
壱「Aさん、いつもの飲みたいから…って…、
え?」
その時、壱馬くんが階段から降りてきて目を丸くし
て驚いた顔をする。
「あっ…いつもの飲む?今淹れるね!」
私はするりと北ちゃんの手の中から抜け出して、キ
ッチンに小走りで行った。
北「ちぇーっ。逃げられた。」
翔平「ざまぁですな、オヒョヒョ。」
コポコポコポ
蜂蜜とレモンとティーパックの入った、壱馬くん専
用のマグカップにお湯を入れていた時、
壱「えらい北人と仲よさそうやな。」
「えっ…、」
危うくお湯をこぼすところだった。
壱馬くんは冷蔵庫に寄りかかっている。
「そっ、そう?いつも通りだよ。」
カチャカチャとスプーンでマグの中をかき混ぜる。
壱「今までは、あんな距離近くなかったで。」
それは…それは…、北ちゃんに側にいてもらうと決
めたから…、とは言えず。
「気のせい気のせい!はいっ、できたよ。」
私は壱馬くんにマグを手渡す。
するとそれを受け取る壱馬くんの手が、私の手を包
み込むように触れ、
壱「ん、ありがとう。」
「どっ、どういたしまして…。」
触れられると、電気が走ったように体が動かなくな
る。
これ以上、壱馬くんに引き戻されたくないのに。
459人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みそじ(プロフ) - りりさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けて良かったです!ぜひこれからも遊びに来てください^ ^ (2019年6月8日 11時) (レス) id: e9f0c68380 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 面白いです!続き楽しみにしてます!☆更新頑張ってください! (2019年6月8日 6時) (レス) id: 399774dd20 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みそじ | 作成日時:2019年5月27日 10時