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洗面所から戻る足取りは重くて、

まるで感覚が無かった。






北「あ、やっと戻ってきた。」




ダイニングテーブルでは珍しく北ちゃんがすでに食

べ終わっていて、私のカレーにラップをしてくれて

いたところだった。







「ラップしといてくれて、ありがとう。」



北「カレーがカピカピになっちゃうかなって思っ

て。俺、偉いっしょ?」




ドヤ顔で言ってくる北ちゃん。




いつもだったら、何言ってんのって突っ込めるんだ

けど、なんだか今は無理だ…。






「そうだね…、ごめんお腹いっぱいになっちゃった

から、これ明日の朝食べる。」





北「うっ、うん。」





自分の食器を持って、キッチンへ向かおうとしたら

ちょうど壱馬くんが洗面所から戻ってきて、みんな

のお皿を覗いている。





壱「おっ、カレーやん。うまそ〜。」



翔平「めちゃうまですよ。」









あの時、俺も期待しちゃうよなんて言ってほしかっ

た?






馬鹿馬鹿しいし、そんな風に思ってた自分が恥ずか

しい。





女の人に慣れてるから、



住む世界が違うから、



彼らにとって普通のことでも、こちら側の人間には

それが特別に感じてしまう。






だけど俺らには、その特別が普通だから勘違いすん

なよ、ってことだよね。






…だから嫌いなんだ男って。









壱馬くんのカレーを用意して、みんなの食べ終わっ

た食器を片し終えたところで、





「すいません、ちょっと体調優れないので部屋にい

ます。食器とかそのままにしておいてください、後

でやるので。」







陣「えっ?!大丈夫?」



陸「何か必要だったら遠慮なく言ってね?」




食べ終わり、リビングでくつろぐ他のみんなも振り

向く。




未だカレーを食べている壱馬くんの方をあえて見な

いようにして、





「大丈夫です、ありがとうございます。」






そして私は足早に自室に戻った。









ベットにボフンッと横になり、




「こんなの自分じゃないみたい…。」





私の目が急に熱くなり、視界がぼやけた。

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設定タグ:川村壱馬 , 吉野北人 , 青山陸   
作品ジャンル:恋愛
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みそじ(プロフ) - りりさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けて良かったです!ぜひこれからも遊びに来てください^ ^ (2019年6月8日 11時) (レス) id: e9f0c68380 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 面白いです!続き楽しみにしてます!☆更新頑張ってください! (2019年6月8日 6時) (レス) id: 399774dd20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みそじ | 作成日時:2019年5月27日 10時

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