1.純白の罪人と漆黒の断罪人 ページ8
「ご機嫌よう、純白の罪人さん。私はハイド。ただのハイドよ、覚えておいてね」
淑やかな笑みを浮かべながら、ハイドはエルの頭に軽く手を置くと興味深そうにエルの目を覗き込む。
その目は新種の動物を、運良く見つけたような目だった。
「また兄とは、違う雰囲気の綺麗な目ね」
「…私は嫌い」
半ば強引にハイドの手を頭から退けると、エルはアンニュイに開く目を横に逸らす。エルはこの目をとても好きにはなれなかった。鏡を見るたびに寒気を感じてしまうのだ。自分のその目に
ハイドが後ろに下がると、ハイドの隣にいた女が進みでる。
「はぁい、アタシはレド。これは愛称なんだけど、本名は後で教えるわ。純白の罪人、よろしくねぇ」
口に思い切り香水をまかれた様な感覚。うまく説明できないが、エルはレドの喋り方はとても好きになれそうにないと感じていた。今にもむせ返りそうだった。
レドはエルの横を早足で通り抜けると、ハイドと親しい友達の様に会話を始める。2人は罪人と断罪人の関係のはずなのだが…なぜこんなに親しいのだろうか
「俺は香月。こっちは瑠衣、下手な事したら容赦はないぞ、純白の罪人 エル」
「おい、香月。お前なんで俺の分まで自己紹介してるんだよッ!しかも、最後のは俺が…」
瑠衣の自己中心的なツッコミに、香月は気怠そうに頷きながらどんどんとエルへ近づいてくる。その光景は、白い蛇がウサギを今にも食らってしまうのではないか、というほどの緊張感があった。が、そんな雰囲気とは裏腹に、香月はエルの頭をポンポンと雑に撫でると、そのまま癒しの間から出て行ってしまった。
香月は、なぜかエルを蔑むことが出来なかった。裁くべき穢れた罪人だというのに、なぜかできなかったのだ。
「って人の話を聞かんか、香月!」
怒れる瑠衣の声がこだまする中、エレはしゃがみこむと、エルにそっと耳打ちをする
「香月があんな態度を取るのは珍しいんだ。変に怒らせない方がいいと思うよ」
にこりと微笑んだエレに、エルは不思議そうに首を傾げると、わかったと静かに頷いた。
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ラッキーアイテム
香月の刀
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーキャラ
佐波 瑠衣
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作者名:Frange | 作成日時:2017年9月4日 17時