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 自己紹介が終わってからというもの、誰も言葉を発しようとしない。互いに視線を合わせてコンタクトを取ってるようだが、如何せん誰も言葉を発しない為に何をしているのかさっぱりだ。数秒して痺れの切れたトントンが、呆れた口調で「何やっとんのお前ら」と突っ込んだ。


「何今更緊張してんねん。さっきまであんなに騒いでたやん」
「いや、だってぇ……こんなにもグルちゃんに似てると思わんかったんやって……」


情けない声をあげながら抗議するのは、紺色の髪をしたスーツ姿の男だった。草臥れたスーツに目の下の隈。到底この国の幹部とは思えない様相だ。


「見た目はちゃうけど、こう、所作とか仕草からグルッペン感が滲み出てるわ」


感心したように少女を見るのは、頭にニット帽を被ったオーバーオールを着た男。「ちょっと圧倒されたもん」と呟いた彼の言葉に、他の幹部はコクリと頷いていた。何故かグルッペンは得意気である。
少女はグルッペンに似ていると言われたのが嬉しいのか、ほんのり頬を染めて照れたように笑う。その姿は先程の威厳と品性ある『令嬢』ではなく、普通の少女のようでとても可愛らしい。その笑みに苦しそうに胸を抑えたのが二名。誰かは察してくれ。


「ゴホン、えー気を取り直して、今度は私達の番だな」
「左から自分の役職と名前を言ってくれ。いない奴はまた後日行うから飛ばせ」


何事も無かったかのように無表情を作り取り繕うが、他の人からの視線は無視することにしたようだ。それでいいのか総統閣下。



「なあグルちゃん後ろのメイドさんは?」
「姪の専属メイドだ。ふむ、一応しておいた方がいいか」
「畏まりました。ルミル、前へ」
「ご紹介にお預かり致しました。ダールベルク家のメイド長補佐でありお嬢様の専属メイドをさせて貰っております、ルミル・ヒッチンズと申します」
「因みに彼女既婚者やからな。
お前らくれぐれも手ぇ出すなよ特に鬱」



____
小噺
ルミルは男爵の位を持つ家の令嬢なので婚約者がいます。
しかし本人はエルリカの事を第一に考えているので結婚は未だ先延ばし状態です。多分結婚してもそう。黒髪が素敵な美人さん。
これから割と高い頻度で出ると思います。

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とうふ(プロフ) - 白猫さん» ありがとうございます!ノロマな更新ですが、これからも応援よろしくお願いします (2020年4月17日 19時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 面白くて一気に読んでしまいました!笑 とても面白く想像しやすかったので、楽しく読めました! 更新頑張ってください。応援してます! (2020年4月17日 7時) (レス) id: 324236a98a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とうふ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年11月16日 0時

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