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「え、俺にプレゼント?」
「は、はい!」


 ひとらんと少女が出会ってから一週間。ひとらんと少女は、確実に距離を縮めていた。
 そしてある日、少女からプレゼントを渡された。それは小さくもカラフルな花束だった。ひとらんは何故?と思いはしたが、渡されたものを無下にはしない。ありがとうと言って受け取った。


(ん?これ…………)


 綺麗に包まれた花束を見れば、アザレアにハナミズキ、そして白いツツジやハルシャギクなどがセンス良く束ねられていた。この城の庭園を管理するだけあって花言葉にも詳しいひとらんは、手渡された花の花言葉と、何よりも赤く染る少女の顔から全てを察した。

 自分は、少女に惚れられたのだと。そしてそれは恐らく一目惚れで初恋なのだ、と。

 そこまで察したひとらんの推理はまさしくその通りで、そしてこのアドバイスをしたのは意外にもショッピだったりする。
 少女が手渡してからチラチラとこちらを伺う様子を見るに、意図してこの花を選んだことも見て取れた。全くもって健気で初心で、何とも可愛らしい告白の仕方だ。危うくひとらんの涙腺が崩壊しかけた。


「……ありがとう、エルリカちゃん。嬉しいよ」
「けど……ごめん。今は、この気持ちは受け取れない」

「今は……?」

 ”今は受け取れない”。その言葉に首を傾げる。それではまるで、今じゃなければ受け取ってもらえるかのように聞こえる言葉だ。


「そう、今は。だって、君はまだまだ世界を知らない。大人を知らない。それを知って、そして君が大人になったその時に、まだ俺の事が好きでいたのなら、その時こそもっと真剣に考えて返事をするよ」

「その……傲慢なのは分かってるんだけど……」

 申し訳なさそうに目を逸らすひとらんに、少女は嬉しいと言いたげな表情で微笑んだ。


「確かに傲慢ですわ。けれど、断られる事自体は分かりきってましたの」
「けど、この想いを伝えたくて。花束と共に贈らせて頂きました」
「ふふ、初恋というものは、とても素敵なものなのですね。本で読む以上に楽しかったですわ!」


 宝石のような瞳をきゅっと細めて笑う少女は、確かに美しく可憐で。ひとらんはそっと目を閉じた。
 この少女は、何れ周りが手を伸ばしても届かないような高嶺の華になるだろう。その時、きっと自分は周りに自慢するに違いない。

 彼女の初恋相手は自分だ、と。


(その為に、初恋相手として後悔されないようにしなくちゃ)



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chapter7 新たな出会い→←○



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とうふ(プロフ) - 白猫さん» ありがとうございます!ノロマな更新ですが、これからも応援よろしくお願いします (4月17日 19時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 面白くて一気に読んでしまいました!笑 とても面白く想像しやすかったので、楽しく読めました! 更新頑張ってください。応援してます! (4月17日 7時) (レス) id: 324236a98a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とうふ | 作成日時:2019年11月16日 0時

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