chapter6 白馬の王子様 ページ31
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あの事件からはや三日。少女の体は順調に回復していき、前と同じ生活が送れるようになっていた。
少女が講義の終わりに図書室を散策していると、目の端にこの城の誰かが買ったであろう新聞が映りこんだ。
何気なくその新聞を手に取った少女は、その内容を見て目を見開いた。
「これ、あの時の……」
そこに書かれていたのは、三日前の社交界で起きた事件についてだった。
『○月✕日午後十二時半頃、フロイド・ローベック伯爵が国家転覆を謀ったとして逮捕された。その際に、総統閣下の血縁者であるエルリカ・Ｄ・ダールベルク公爵令嬢に睡眠薬を盛り、更には誘拐を企てていた事が判明した。他にも協力者が居ないか、軍は引き続き調査を続けている』
他にもローベックが起こしてきた悪業の数々が書かれているのを見て、少女は急激に感じた恐怖に震える腕を抑えた。
(ゾム様に助けられていなかったら、私は……生きていたのかしら……いや、むしろ死んだ方がましだと思うよな生活を──)
「ねぇ」
「っ！！」
肩に置かれた手の感触に、少女の体は大袈裟なほどビクリと揺れた。聞こえた声からして男だろうと当たりを付けて、恐る恐る振り返れば、真っ先に目に入ったのは”白”だった。
そのまま視線を上に向ければ、申し訳なさそうな顔で「大丈夫？」と声を掛けられた。
「ごめん。怖がらせるつもりは無かったんだけど、顔色悪かったから」
「あ、いえ、此方こそ申し訳ありません。心配して声をかけて下さったのに……」
親切心で声を掛けてくれた相手に対して、あまりに失礼な反応だったと反省する少女に、真っ白な軍服に身を包んだ彼は「ううん、気にしないで」と優しく笑った。
「それより、えーと間違ってたらごめんね」
「君の名前エルリカちゃんであってる？グルッペンの姪っ子の」
「はいそうですが……」
何故そんなことを？と疑問に思ったのが伝わったのか、相手は自分が名乗っていないことを思い出した。
「俺はひとらんらん。宜しくね」
「そ。昨日帰ってきたばっかで、君のことはグルッペンからの手紙で知ってたから」
「あ、ひとらんらんって長いから”ひとらん”か”らんらん”って呼んでね。敬語も要らない」
「え、で、ですが」
「いーのいーの。早く仲良くなりたいし、その為には砕けた口調で、ね?」
「わ、分かりましたわ」
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とうふ(プロフ) - 白猫さん» ありがとうございます！ノロマな更新ですが、これからも応援よろしくお願いします (2020年4月17日 19時) (
レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 面白くて一気に読んでしまいました！笑 とても面白く想像しやすかったので、楽しく読めました！ 更新頑張ってください。応援してます！ (2020年4月17日 7時) (レス) id: 324236a98a (このIDを非表示/違反報告)
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