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「あれ、亜嵐くんだ」
「ん、ああ涼太か。どしたの」





軍令部を出たところで私服姿の涼太とばったり顔を合わせた。





「上司に報告書出しに来た。亜嵐くんは?」
「俺も同じ。せっかく戦争もなくて平和なのに今度はデスクワークとかやってらんねぇわ」
「あはは、まぁ結局俺らは使いっ走りってことだよ…あ、そうだ、この後暇ならご飯でもいかない?パサパサの携帯食じゃなくて美味しいお肉」





肉、と聞いただけで口の中にじわりと唾が溜まる。しかし俺は魅力的なお誘いに対し首を横に振った。





「ごめん、この後行くとこあって」





察しのいい涼太なら何となく行先まで分かったのだろう。少しの間のあと、とても傭兵とは思えない柔らかい笑みを浮かべた。





「そっかそっか。じゃあまた今度」
「うん、また誘うわ。そんじゃお疲れ」
「お疲れ様で〜す」





軽く手を振りながら涼太と別れ、軍令部を後にする。




F21の軍令部はもっとボロかったが、さすがは近年領土を拡大するAREA X0、設備が充実している。街を行く人々もF21に比べるとほんの少し裕福そうだ。




俺が死にかけたF21対X0の戦争から3年が経った。




投降した結果俺は現在AREA X0の兵士へと転身し、家族と共にこちらに移り住んで騒がしい毎日を送っている。今やGENERATIONSという少数精鋭の小師団まで任されるようになり、あの日脇腹を撃たれ死にかけていた男がまさかこんなところでこんな風にしぶとく生きているとは、と我ながら笑ってしまう。




今のところスリルとハプニングに溢れた人生だ。




そう、スリルとハプニング。





「このハプニングは求めてないんだわ…」





思わず独り言が漏れて慌てて周囲を見回したが、辿り着いた目的地は今日も皆が忙しそうにしているため誰かに聞き咎められてはいなさそうだ。



その時。





「おっ『夜鶯姉妹』!今日も2人揃ってべっぴんさんだねぇ」

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かな - 続き楽しみです! (2020年10月10日 22時) (レス) id: 95ffd40df7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねこた | 作成日時:2020年9月17日 3時

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