B6-3 ページ6
「…いない？」
ギシギシとあの少年が近寄ってくる音が、嫌に鮮明に聞こえてくる。
(あれが、殺人鬼……)
ショッピはさっきのキャンピングカーのトランクの中で、縋るようにぎゅっと目を瞑って祈りながら、体を猫のように丸めていた。
しかし、ショッピの祈りも虚しく、トランクの扉が無慈悲に開く。
「みっけ」
まるでかくれんぼをして遊んでいた子供のように笑うと、少年はショッピに向けて、その白い手を伸ばした。
「っ…！」
咄嗟の判断で、少年の包帯に包まれた細い腕をつかみ、体制を崩させ、ふらついたところを押さえつけてトランクの中へ投げ入れた。ゴンッという鈍い音がして、少年の小さな呻き声が聞こえてくる。
その時、カツンっと音がして、頭に被っていたヘルメットが落ちる。それでもショッピは振り返ることもせずにまた走り出した。
いくつもある矢印のひとつに、「昇降口」と書かれた看板を見つけて、その方向へ向けて急いで足を進める。
フロアの奥から、「まって」という声がしたが、その声を振り切ってエレベーターに乗り込んだ。
「はぁ、はぁ、アレが、殺人鬼……？」
(……なんなんやろ、ここ……)
言いようもない不気味さに、ショッピは思わず小さく震える体を押さえつけながら、エレベーターの中で力なく座り込んだ。
△▼
長袖のパーカーから伸びる腕に包帯を巻いた少年____Aは、少し痛む体を擦りながら、まだ鈍い音をたてるエレベーターの前に立ち尽くした。
腕の中には、さっきAをトランクに投げ飛ばした時にショッピが落としたゴーグル付きのヘルメットを抱えている。小鳥はすっかり気に入ったのか、ヘルメットの中でいいポジションをみつけていた。
「これ、返さないとだよね？」
小鳥に聞いても、当然ながら返事なんて帰ってこない。でも、Aには、小鳥くらいにしか話をする相手がいなかった。この地下ビルで、誰かを100%で信じるなんてできない。それは本能が拒絶していた。
それでも、これは返した方がいい気がしていた。
(それになんだろ……逃げられたのが、少し悔しい)
Aは少し躊躇った後、上に上がるためのボタンを、細い指先で押し込んだ。
. Let's go back to you.
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ネロ - らっぴょこさんさん» 同じく (2021年3月26日 21時) (
レス) id: 60a73795c6 (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - ルキさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年10月30日 22時) (レス) id: baf7cd5c38 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - あぁぁぁっぁ好きっ！(唐突)更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月30日 21時) (レス) id: cf78d11b1b (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - らっぴょこさんさん» そう言って貰えて嬉しいです。これからものんびりですが、頑張ります。 (2020年9月13日 21時) (レス) id: 5c7d5c749b (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - あ、好きです。殺戮の天使もdも好きなので､､、こういうフリーホラーゲームとコラボ(？)してる作品って少ないですので､めちゃテンション上がりました！応援してます！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うわばみ�� | 作成日時：2020年8月15日 17時
