B4-11 ページ20
そのとき、天国から降ってくるようなピィピィという今にも消えそうな小鳥の鳴き声が聞こえてきた。
「あら、もう追いついたのね。
ねえ、選んで？あの子、Aに殺されるか、私に殺されるか。
______……愛おしいショッピさん。きっと素敵に眠らせてみせますわ……______」
誘うような甘い言葉に、ショッピは少しだけ目を瞑って、メイソンに殺されるところを想像してみた。
不思議と悪くない気がしたし、死にたいという願いを思い出した今、確実に殺してくれる人が目の前にいることは事実だった。
(でも、なんで俺、死にたいなんて思うんやろ……。
あぁ、でも……ええかな……別に)
思い出しても碌でもない理由なのは目に見えている。思い出さない方が幸せなんだろう。
ショッピは差し出された白い手に、自分の手を持ち上げて、重ねようとした。そのとき、
「だめ……だめだって…だめ！！！」
すぐ後ろの壁がガンッ！と音を立てる。
ずっと呟くような声だったAの泣きそうな、混乱してるような声が、冷えきった頭に落ちてくる。
「殺されないで……！！僕と外に出て……！！
そしたら、そのときは、絶対、絶対僕が殺すから…！
___………神に、誓って………____」
その瞬間、ショッピの目のなかには、無数の天使の羽が降ってくる幻想が見えた。なにかを祝福するような鈴の音が鳴る。
Aの成長途中の声が、教会の鐘のように優しく響く。
「神、様に………」
そう呟いた自分の声は震えていた。
普段、止まってるのか動いているのかわからない心臓が、止まってしまうくらい、どくん…どくんと、鳴り響く。
ショッピは後ろを振り返って、冷たいレンガの壁に手をつけた。自分の名前を不安げに呼ぶメイソンの姿は、もう眼中にない。
ショッピは少し黙ったあと、顔を上げた。
「……わかった。
そのまま、思い切り、壁を殴れ……！」
その瞬間、壁を殴る音が、花火のフィナーレみたいにフロア全体に響き渡った。その音に合わせて、ショッピの心臓の音も大きくなる。
(……A)
痛いくらい高鳴った心臓を押さえつけながら、ショッピは心の中で、初めてAの名前を呼んだ。
そのとき大きな音がして、目の前の壁がガラガラと崩れていく。土煙で咳き込みながら、Aが目の前に駆け寄ってくる。
少し自慢げな、いたずらっ子のような笑顔で。
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ネロ - らっぴょこさんさん» 同じく (2021年3月26日 21時) (
レス) id: 60a73795c6 (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - ルキさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年10月30日 22時) (レス) id: baf7cd5c38 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - あぁぁぁっぁ好きっ！(唐突)更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月30日 21時) (レス) id: cf78d11b1b (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - らっぴょこさんさん» そう言って貰えて嬉しいです。これからものんびりですが、頑張ります。 (2020年9月13日 21時) (レス) id: 5c7d5c749b (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - あ、好きです。殺戮の天使もdも好きなので､､、こういうフリーホラーゲームとコラボ(？)してる作品って少ないですので､めちゃテンション上がりました！応援してます！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うわばみ�� | 作成日時：2020年8月15日 17時
