酔っ払いの介抱は仕事の管轄外なので飲み会には参加しません。え、強制参加? それはパワハラじゃないんですか ページ7
「ゔぉぇえええっ……」
「なんで飲むかな。焼酎とスポドリのちゃんぽんはやめとけって言っただろ」
「甘いからイケると……ゔぉえろっ」
「はいはい。どうせなら胃の中空っぽにしちゃいなよ」
「ゲェっ……」
ちびちび飲んでいた清水とハイペースな銀時ならば、どちらが先に潰れるかなど分かりきったこと。早々に顔を赤らめ、口元を押さえた瞬間路地裏に駆け込んだ。お代はきっちり置いておいた。
酒の飲み方は変わっていない。高かろうと安かろうと酒を飲み比べ、挑発に乗ってさらにペースを上げる。そして、どこぞの叢で吐いて気絶してるのだ。時折、脱水症状に陥る者もいた。
もともと酒が弱い清水や、ペース配分を把握していた桂は基本的に介抱役に回っていた。ハイハイ寝ましょうね、と酒臭い連中を雑魚寝させて自分達は安全な部屋で就寝していた。翌朝の頭痛なぞ知らん。
ノリがいい者はガンガン酒を勧められていたが、酒量を理解していた者はそれとなく断っていた。翌日の合戦のことを考えて瓶を下げる者がいれば、ノリが悪いと不機嫌になる者もいる。そうした場合、コイツの方がまだ飲めると隣にいる誰かにターゲットをスライドさせたものだ。
「ぅゔッ……もう、ぜってぇ飲まねぇ…禁酒するわ……」
「じゃあお酒全部燃やさなきゃね。よく燃えるよ」
「ぅえっ……」
「まだ吐くの?」
「もう、胃液しか出ねぇ……」
千鳥足の銀時を支え、万事屋の階段を登る。ろくに鍵がかかっていない引き戸を開け、靴を脱がせた。素足にブーツは蒸れないのだろうか。
四苦八苦してブーツを放り投げると、ずしんと何かが立ちはだかる。留守番をしていた定春だった。
「あ、やぁ」
「わぉん」
「君のご主人、送り届けてきたんだけど……どこに投げたらいい?」
「ワンっ」
ついてこいと言うように尻尾を振り、奥へ先導する。自分より幾分か体格のいい幼馴染を引き摺り、それに続いた。
定春が襖を開け、敷きっぱなしだった布団を指す。そこへぶん投げ、凝った肩をごぎりと回す。
呻き声を上げながら、もぞもぞと寝転がるニート侍を見下ろし、ベルトと帯を解いた。ごろんと回る体躯を定春が肉球で止める。
着流しも剥ぎ、衣紋掛けに掛けた。さすがにこれ以上は、と思ったが定春がわんと吼えた。その足元に、甚平と思しき緑色の布がくしゃくしゃに丸められていた。
黒のインナー、ズボンを脱がせて寝間着を着せた。これだけで汗が出る。
書き置きを残して、万事屋を後にした。
明日からダイエットする? そう言ってこの間もドーナツ食べてたでしょ!!→←振り返っても、戻ろうとするな
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うす - 更新ありがとうございます…!この作品が大好きです応援してます! (9月19日 22時) (レス) @page50 id: d6b5e366a4 (このIDを非表示/違反報告)
oyz031(プロフ) - とても面白く、興味深いお話で続きが気になります。応援しています (8月30日 0時) (レス) @page49 id: 7ddb3de917 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - いつまでも更新お待ちしております、! (5月21日 18時) (レス) id: c35eeb83bd (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 最近めちゃくちゃ更新されてますね!すごく楽しみにしてるので嬉しいです!無理のない範囲でこれからもお願いします! (2023年4月22日 20時) (レス) id: 19052b8914 (このIDを非表示/違反報告)
モブ - ものすごくこの小説が大好きです!次の話に進むたびドキドキしてしまいます...!!! (2023年3月24日 2時) (レス) id: 24c7afdf4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年3月1日 15時